中道をひたひたと。

^^1 またまた貝原益軒先生から。

保持と循環
『人間の身体は、気が生命エネルギーの根源です。
安静にすることによってこのエネルギーを保ち、
身体を動かすことで循環させる。
保つことと循環を良くすること、
この二つをどちらも備えることが必要です。
そのときどきで動と静を実践し、
バランスをとること出来を養うことができるのです。』

動くだけではいけない休むだけでもいけない。
静動のバランスを意識して保つことを推奨されています。
つまり
「今日一日、動き過ぎていれば休んで下さい。
もし運動不足なら動いて下さい。ね!」ということを儒学者らしい表現で伝えています。
(今日は僕は運動不足。これから動かねば!!)

-

真ん中を保つ
『養生の道は中道を行くことにあります。
つまり、過不足のない状態です。
食事なら腹八分目。
間違えっても満腹するほどの飽食は避けること。
これが中道で、万事このように心がけるべきなのです。』

過不足があってはならないという教えは、
養生訓は、数多く項目を用意し説かれています。
それだけ重要なことと教えてくれているのでしょう。
同時に中道で過不足なく生きることは難しいことと念を押しているのです。
身体能力的なバランス感覚を鍛えると同時に、
心や考え方のバランス感覚も保つように鍛える必要がありそうです。

-

人は健康をあたかも信仰の対象とし、
極端な苦痛を伴う行動に走ってしまうときもある。
体に心配があるときには、精神的に追い詰められてそうなりやすい。

そのような際に貝原益軒先生は、

楽しさと養生の関係
『楽しみは人間に本来備わっている自然なことです。
したがって養生に熱心のあまり、
楽しみを失ってはいけません。
楽しみを持つことは養生の根本なのです。』

さっきまで「養生しなさいよ!」といっておきながら、
養生熱心で窮屈になるのはよくないと断言。
苦痛や強制感を感じてしまい楽しめなくなっては元も子もないよ!と助言してます。

つねになにがよいかわるいかを冷静な目で空から観ているようです。

つくづくバランス感覚がよい先生です。