骨を感じて休む・動きをつかむこと--1

長時間のデスクワークでほとほと疲れきったとき。
特に単純作業をし続けるときほど、
苦痛なときはありません。

そんなとき作業を中断して横たわり休むとき。
首の後ろ側で左右の肩甲骨間辺りが硬くつらいときには、
なかなかそこの詰まり感が抜けてくれません。
その詰まっているところの筋肉を軽くマッサージをしてもダメ。
疲れすぎてしまうとそうなりますよね。

疲労した筋肉に意識を向けて休ませる方法もありますが、
そこに意識を向ければ向けるほど辛く感じることがある。

その裏にはこんな仕組みがあると思う。

筋肉には反射や習慣により一定の形状を保とうとする記憶特性がある。
カバンを持つときに、カバンを握るときには意識するが後は全自動。
「カバンを握り続けよう」と意識し続けることはない。
身に付いた一定の動作が始まれば、
あとは自動的に処理してくれる。

だが筋肉のなかの筋紡錘装置は誤動作を起こす。
筋紡錘とは、筋肉の筋肉の長さを制御する神経。

この場合の誤動作はたとえば次のように起こる。
デスクワーク中、
脳から体を固めた姿勢を続けるよう命令がでる。
神経を通り筋肉の中の筋紡錘にその情報が届く。
それにより筋肉が収縮して、
一定の姿勢を保持し続ける。
だが長時間緊張し続けた状態が続き、
筋肉の緊張が血行不良を引き起こし、
筋紡錘が狂い始める。

横たわった姿勢をとれば脳は力を緩めていいと指令を出している。
だが緊張し続けた場所の筋肉は、
筋紡錘がすでに誤動作を起こす。
脳からの緊張を解く信号を受信できない。
これが「こり続けるいやな状態」のこと。

神経は血液量が減少すると麻痺を起こす。
脳の命令を無視して緊張状態が続く、
いわば神経誤動作によるコリの継続。

そして筋紡錘の誤動作を鎮めるためマッサージをするが、
姿勢を支える筋肉は骨のすぐ脇の深層筋。
手が届かない場所。

別の解き方として。
筋肉のしこりに意識を向け動きを加え解くこともできる。
ムーブメントを主に行うボディワークでは、
この意識を向けることを大切にする。

だがかなり熟練が必要。
不快な筋部分に意識を集中すれば、
不安感が起こりなかなか楽にならずあせりを感じる。
辛い筋肉に意識を向けたとき、筋肉が緊張収縮する。
これで緊張が増幅してコリがきつくなることがある。
精神的に緊張したときに起こる筋肉の収縮反射です。