筋膜や関節の調整は呼吸を見抜いてから

体の調整で呼吸は重要。


息を吸うとき。
胸の中央(壇中部分)から伸びていきます。
その伸びは胸だけにとどまりません。
順次、下方には腹部中央から広がり、
脚部ふとももも前側が広がりだします。
上方には喉が広がり、
顎が緩み、
額が広がります。


ちょうど体の前面が隈なく『ぐぐっ』と、
伸張する具合ですね。


体の背面は短縮していきます。


息を吸うとき、
体の前面が伸張・背面は短縮。


息を吐くとき、
体の前面が短縮・背面は伸張。


察しのよい方はおわかりでしょう。


全身の筋肉が隈なく伸び縮みして呼吸を助ける仕組みです。


体の調整をするとき、
全身の呼吸のリズムによる伸張と短縮を把握が必要です。


背面の筋肉をゆるめたいとき。
背面の筋肉が伸張するときを狙ったほうがスムースに緩みます。


わざわざ呼吸で背面の伸筋群が短縮するとき、
無理やりぐいぐい押されても気持ちよくない。
痛いし解けづらい。
結局筋肉が緩むどころか、
反射的に「痛い!」と感じ取られ、
防衛反応が起こる。


これを計算に入れないと思ったほど解けないのです!


息をすぅ〜と最高潮に吸ったとき、
背面の筋肉が最も縮みます。


そのときが一番凝っている場所の筋肉が、
生理的に最も強い凝りと化している状態。
このときに突かれれば本当に痛くて固まります。


筋肉に新たなヨロイを着込ませるわけですから。
体調も悪なるわけです。

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呼吸による関節と骨格の緊張と弛緩の原理をワークに応用しています。


『呼吸の間』を観ることです。


この注意があるかどうかで、
筋膜のリリースや関節のリリースの精度が開きます。
症状の思わしくない方の場合には、
『安全性』に関わります。


よいワーカーは常に呼吸へ注意を向けています。
無意識にそうするようトレーニングしています。


ワークする箇所では呼吸による筋弛緩具合が
弛緩し過ぎないほうがよいところもあります。
体の深部筋・中層筋・浅層筋などの部位で、
呼吸の間で解くタイミングをずらします。
ここから先になると職人の世界ですよね。^-^1


なにげなくあのワーカーに解いてもらうとよいとか体で感じている場合。
「なにげなく」の内訳に呼吸をよく捉えているなど、
一見すると違いがわかりにくいところに何かを潜ませているものです。