呼吸力で内臓を持ち上げましょう

一昨年あたりかのあるある大辞典の取り置きビデオを観た。
『大腸の下垂した異常が問題!』のような特集です。
再度見て驚くようなレントゲン映像です。


解剖図とは想像もつかない位置にずれています。
改めてみて唖然としました。

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横隔膜を上下に動かす力。
呼吸力。
この力が減少していくと胃腸全体が下垂していきます。


不思議なことですが
犬や猫はあまり内臓下垂ってありません。
なぜでしょうか?


犬や猫の四足動物は、
地面に対して内臓は平行です。
呼吸をするとき横隔膜が横に動く。
すると重力に対して負担はかかりません。


【横隔膜の動き】
(四足動物=犬や猫)


■|←i→|-


それに対して人間は上下に動きます。
すると横隔膜が内臓を持ち上げたり、
押し下げたりしなければなりません。
四足動物の横隔膜にかかる負担とは、
一線を隠すほどのデメリットです。
人間は立つことで呼吸に関わる十字架を背負うことになりました。


【横隔膜の動き】
(二足動物=人間)


■(頭)
==

−(横隔膜)

==(骨盤)


腰椎免荷が発揮できるスタイルであること。
そうじゃないと構造的に横隔膜がうまく上下に動かない。
横隔膜が上に引き上げられるときに、
内臓を持ち上げてくれるのです。


腰痛があれば腰の使い方に不得手な点があるようです。
ですから少なからず内臓にも影響が発生する模様です。
腰痛を感じたことがないという人は少ないようですし。

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エクササイズには、
四足であったり横たわり仰向けやうつ伏せになっておこなうものがあります。
フェルデンクライス・メソッドには、
そのようなエクササイズが豊富です。


実は身体の使い方が本人の自覚がない場合でも、
二足で立った以上横隔膜の上下運動に強い緊張を生じます。
横たわりおこなうエクササイズはこの緊張を激減させます。
だから呼吸が楽に深くできて、
体中に多くの酸素が取り込まれる。
それにより神経がいつもより鋭敏に働く。
感度が向上し繊細に身体の動きを感じ取れる。
脳に質のよい動きが学習できる。
動きの定着率がいい。


それは間違った動きさえも改善させる力を秘めています。


そしてこの横になって深く自然呼吸を続けるエクササイズを続けると、
内臓の位置を正しい場所へ引き戻すきっかけになります。