人体は構造がいくら整えられたとしても、内部の気血津液が乱れておれば、健康とは言えない。
私が思うに、その逆もまた真なり。気血津液が整えられていたとしても、構造が乱れていれば、健康とはいえない。
ただし気血津液の状態が構造に優先する。
私が筋膜リリースをしているとき、人体構造上のアライメントが整合していることでした。重力に体のそれぞれのパーツが、呼吸による前後上下の動きを妨げることなく前後左右上下とつりあいを保ち続けます。それにはスゥエットスーツやタイツのような筋膜がよれて着込まれれば、筋肉が緊張したまま緩まず、骨格も関節が詰まり変位をしたままになります。事故による外傷を得て筋膜が歪んだままになっていたり、不良姿勢や乱れた動作による身体操作の誤用があるとき。ささいな癒着なら寝れば自動的に筋膜の癒着を解く機能により、ほどいてくれるものの、1週間以上も変わらぬまま筋膜がよれたままですごせば、脳が筋膜が癒着したままの身体操作術を作り出して順応を示す。すると身体構造上の歪みを得た状態が動きやすさを感じる正常とみなすこととなる。これを本人の行動のしやすさを視点に考慮して機能的構造と呼んでおります。ですが実態はミスアライメントと呼ばれ重力線にそぐわない骨格上のパターンを持った状態でのやりくりをしている状況にほかなりません。本来の機能性を損ねる複雑で脆弱なままを続けるため、それが負のスパイラルとなり体をぎくしゃくさせる非効率的運動と代謝の不良を積み上げ増すこととなります。施術者はそうした状態下にお客様のお身体の現状が置かれていないか、客観的に確認の上、構造全体を考慮しながら重力線に沿った状態に体の部位の並べ替えをしてまいります。
身体の構造上変位が及ぼす不具合は、経絡上のトラブルを如実に生じさせる現況であり、それが気血津液の流れを停滞させている状態を、施術前と施術後の変化から理解することもできてきました。ただし正直にいえば、去年の中旬以前の私は、気血津液より構造全体の歪みによる破綻が優先されるものと考えていました。構造体の歪みが改善できた時点で、気血の通る脈管の滞りが大幅に減じられていたことがわかります。それにより自然なあるべき姿に近づくことで、体には益する生命力が増していきます。そうした手助けをさせていただける筋膜リリースに、大きく信頼をおいています。
そうした構造体を繊細に整え積み上げる仕事の勉強に対し、ほぼ9割を上回る時間を割いてきました。そうした専門性の高い勉強課題の分量は、数百冊の書籍を読みセミナーや学校に通うことでかなえられたものです。簡単に見える手技の一投足も、その背景は理詰めでなぜあなたにはこの手技が必要なのかの証明を長々説明できます。それゆえ、手技の重要性において疑問の余地を挟む気持ちはありません。
ですが気血津液の陰陽のバランスを整える中医学を一年かけて学び続けることで、筋膜リリースで気血津液の流れを促進する以外の方法の数々を理解し、同時に気血津液や臓腑との密接な関わりあいの理解が深められました。そうした現在の私の把握できた範囲内の判断では、次のように言えるのではないかと考えております。![]()
(図解)
『人体は構造がいくら整えられたとしても、内部の気血津液が乱れておれば、健康とは言えない。それは気血津液の乱れがあれば、人体構造上の臓腑の不調和や経脈上のトラブルから、人体構造は、持続して理想的な状態を維持することはできないからです。
私が思うに、その逆もまた真なり。気血津液が整えられていたとしても、構造が乱れていれば、健康とはいえない。気血が整えられ痛覚閾値が高まった状態での人体構造の乱れは、構造の乱れを是正せよという炎症反応が出続けているもので、相当な苦痛に精神にまで不調が及ぶほどとなる。ただし気血津液の状態が構造に優先することで、人体構造が整えられた状態を維持することが容易になるケースが観察できた。その逆は、難しい。』
この一年をかけて中医学や薬膳を学んできました。そのおかげで気血津液の知識量を含め中医学の全体がみえてきました。気血津液の問題があればどのような理由でそうした不調が生まれるのか。またそうした不調をどうやれば正せるのか。という方法が獲得できました。
構造体としての人体の歪みと気血津液の詳細がいまは、両者の情報を頭に展開できるようになりました。構造体が先か、気血津液が先か。
このような問いに対しての回答は、中医学を真剣に学ぶ時間を過ごす以前では、構造体が先とこたえたでしょう。ただそうした答えをだした理由は、それぞれの知識量の差であり、圧倒的に気血津液の理解が未熟でした。それでは気血津液を正当になんたるかを解説できもしないまま、知らない分野を知らないまま推挙することなどできるものではなかった。ただ、それだけのことであったと思います。
今なら、気血津液と人体構造のそれぞれの乱れ方に対し必要に応じてとなるのが正解です。
なかには気血津液が整えられていて急性の事故や怪我により人体構造上の問題がでた方は、気血津液の改善に着手する必要はございません。人体構造上は整えられていたとして、気血津液の津液がサウナで一時的に失われても自らのちからで回復可能であれば心配はいりません。
ただ気血津液の着手が必須な方の場合についてのみ言えば、やや先行で気血津液の調整が欠かせません。構造体の整理は、気血津液がある程度安定してからか、同時期に足並みをそろえておこなうことでしょう。
そうした考えになっています。