『気は揉むものではなくて、配るもの』

ミスドール・ミツという無添加パン店を経営する
廣瀬満雄氏が先日テレビに出ていた。


貧乏脱出大作戦で厳しく指導をしていた人物。
パンづくりに関してはプロを徹しておられる。
多くの若者が廣瀬氏の店に修行に入り、
既にそこを巣立ち26名以上が独立開業の夢を果たしている。


そしてテレビでは30代女性が修行最後の修了試験として、
酵母でパンを作り上げるという課題が出た。


自分でレシピを考えたことがないと不安がっていた。
チョコでパン表面をコーティングして見栄えを整えようとした。
梨の風味が消えてしまう。
廣瀬氏に指摘されてそのことに気づいた。


廣瀬氏の言葉。
マチュアの100点はプロの50点にも満たないんだ。
プロの工夫と努力で80点をとれ。
それまではうち(ミスドール・ミツ)で修行したとは口に出すな!


プロの仕事


その言葉は私は廣瀬氏の
『商売するならぜったいパン屋』を読んでいたのでよくわかる。


大胆かつ繊細で用意周到。
お客様とのつきあい方を、
どのようにすべきかが真摯に取り組まれていることが伺える。
単純な経営理念本ではなくて
パン屋コンサルティングをしていた廣瀬氏独自のノウハウが提供されている。


プロの仕事とアマチュアの仕事の違いに、
戸惑うことでしょう。
多くの人が彼の門をたたきそしてプロの仕事の意味がわからず去っていく。


ここで気を揉んではなりません。
もし気を揉んだ状態で
『どうしよう、どうしよう。
なんでプロとかアマチュアとか言うんだ?
私はその違いを教えてもらうために来たのになんで教えてくれないの。
廣瀬氏に嫌われているからこんなことを言われるんだろう。』
などと考えれば自然にやる気が失せてしまいます。
このピンチが自分では気づかずに気を揉んでいるときなのでしょう。




斎藤一人氏はこんなとき商売人らしく、
いいことをいいますよね。


気はもむものじゃないよ、配るものなんだよ』と。
気を配ってあらゆるところに明るい灯をともそうとしなさいよ、といいます。
徹底的に気を配るように心がける。
お客様にお手紙を書いたり、
店を掃除したり。


テレビではパン屋の修行で今回の課題ならば、
気の配り方はパン生地の手ごね修行。
そして素材の厳選です。
見事、このパン生地と厳選素材りんごを使ったパンが売り切れ。
『卒業です』という笑顔の言葉を廣瀬氏がかけることができました。


将来の自分がどうなるか。
不安でも気をもんではいけない。
気をもむと、もみ殻のようにぼろぼろになってしまう。


気は徹底的に配るもの。
お客様へ配慮するもの。
それこそがプロの工夫と努力というものなのでしょう。


『工夫と努力でプロの80点を取れ!』
しびれるようないい言葉ですよね。
カッコいいと思いませんか。