筋肉を伸ばすよりも縮める画期的な成果

弛緩した筋肉が短縮する。
それで筋パワーが発揮される。
これは当然なことです。


筋肉は弛緩はするが、
筋肉は自らは伸びない。
これも当然なことです。


筋肉に自然ではないことを強いる。
するとしっぺ返しに会う事がある。

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体の筋肉をストレッチする。
そのときに筋肉は自らは伸びないという事実を考慮しない。
それにより筋肉を痛める事が起こります。


それはどういうときでしょうか。
既に筋肉を取り巻く筋膜が硬化して短縮している。
そのような筋肉は筋繊維や筋肉全体を覆う筋膜が硬化している状態。
筋膜は筋繊維を守るゼラチン状のクッション力のある保護膜です。
衝撃から筋肉や筋繊維をよく守ります。
ですが筋膜が硬化して粗悪な状態。
壊れやすい状態にあるときにその部分をストレッチすればどうなるか。
それは古くなって硬くひび割れた輪ゴムを伸ばすようなものです。
パチンッと切れてしまいやすい。
すると中にある筋肉・筋繊維も傷つきます。


筋膜が硬化しているわけではなく筋肉が緊張して短縮しているときもそう。
筋収縮していようとする力はだてに発揮させているものではありません。
たとえば関節がずれてそれを補正するため靱帯バランスがずれている。
筋肉を短縮させるなどしてその靱帯バランスのずれを軽減させるため、
頑張った末に生じた筋緊張。
その仕組みもわからずに単純に『この筋肉が硬いから伸ばそう』とすれば、
短くなろうとする力のベクトルがあるのに、
その逆方向のベクトルへストレッチ力をかける。
そうすれば筋肉が伸びるという表現ではなく、
伸ばし過ぎるとか伸び過ぎる。
筋肉へダメージが残るわけだ。


ストレッチはそのようなリスクを考慮したうえで
状況を判断して行いましょう。


ストレッチを試みるとき。
体が硬すぎたりする場合、
負担が大きくかかります。
ストレッチ負荷を落とすか、
ストレッチ以外の方法を採用しましょう。

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筋肉は縮むことで力を出すのは自然なことです。
筋肉にストレッチを加えるのではなく、
筋肉を縮ませることを考える。


縮ませるにも限度がありますが、
筋肉は縮む場合の方がよく筋が緩む。
特に慢性的な筋硬化がある方は顕著。
やり方次第でストレッチでは得られ改善も期待できます。


その事実を知っている方は意外に少ない。


これは筋膜リリーステクニックの有用な概念のひとつです。