まずは自分を省みてお客様をリスペクトすること。


先だってどこぞの治療師の先生から
『患者からリスペクトされない』という悩みを聞いた。


一生懸命治療も勉強もやっている先生です。
だが患者が自分を受け入れてくれない感じがぬぐえない。


ですが傍から観ていると、
その問題の所在が見えてくるのです。


一生懸命治療法を模索して頑張っているんですが、
結局は自分自身が偉いと言われたいためにしてる。
そんな雰囲気がある先生なんです。


お客様に向かって
『俺の言うことを聞かないからダメなんだよ』と、
平気な顔で叱りつけることがあると得意気に言う。
自分がお客様をリスペクトしていないんですよね。
その態度に本人は気づいていない。


治療をさせていただく機会を与えていただいた。
自分が説明をさせていただく時間をいただけた。
幾千ものカイロプラクティック院の中から
自分のところを選んでいただけた。
普通その時点で仕事をさせていただけることで感謝なんです。


治療師は頑張らないといけない。
講習会にでかけ高価な医療書で勉強する。
極度の筋肉痛にも耐える。


でもそのときに...
患者のためにしてやっているから、
そのぶん患者は私に感謝して当然。
そんな含みをもった考えでいれば、
自然に相手も興ざめするのは当然。


そんなことを押しつけられたら嫌になりますよね。
感謝は強要からは生まれません。
自然に心が通じたときにつながるもの。
尊敬の念はそこから育つものです。


腕のいい先生ですが患者さんは先生の前では
緊張して必要なこと以上になにも話しません。
そして患者の何気ない引きつった緊張した顔。
その顔を見逃さずに観察し日々見つめて落胆。
そして言います。
『どうせこの患者は私のことをわかってくれないんだ』。


ですが違うんです。


先生が患者の些細な顔の「えっ」という嫌な顔を敏感に読み取るように、
患者も先生の日頃からの嫌な顔を敏感に読み取っていただけ。
気づかないうちに先生が先手を打って患者に嫌な顔を向けていただけ。
それを読み取って初診患者が冷たさを感じ過剰な負の反応をしていた。


この悪循環というものは患者に切ってもらうことはできません。
先生自らが切るものです。


先生から先に患者に感謝の目をいっぱいに向ければいい。
その気持ちで日頃から頑張ればいい。
治療のときも感謝の目で患者と対すればいい。
こちらからリスペクトさせてもらうことです。