「仙腸関節や腰仙関節のリリース」の話の続き

そういえば、
一昨日前の話の延長となります。
仙腸関節や腰仙関節のリリース」という話。


2年前ぐらいだったと思いますが、
初回のお客様がお見えになられたときの会話です。



私:「質問です。かつて通われた施術院でどのような施術を受けましたか?」


お客様:
「鈴木さん。
私は仙腸関節を緩めるので有名な治療院ですが、2年間通っています。
仙腸関節を毎週といてもらているんですよ」


私:「了解いたしました。
それではかなり仙腸関節部分が緩んで調子よくなっているということですね」



ただ私の想像していた状態ではありませんでした。


ボディチェック中に仙腸関節の状態や仙骨の位置の大きなズレをみつける。


骨盤の後ろ側の仙骨が厳しいほど後ろに出っ張っていて、
びくともしないほど強力に癒着しているままのようです。
腰仙関節の間の椎間板が縮小して仙椎1と腰椎5との間が
ミリ単位であるかどうかぐらいしかありませんでした。


体の前後湾曲がきつい状態レベルはかなりのものです。


以前通っていた施術では1〜2日ほどは体調が多少マシになるが、
それが3日もすればまたきつくなっていくそうです。
加齢とともに体の辛さは根本的にひどくなってきて、
どうしてよいのかわからないとおっしゃられます。
そして私どものところへおいでなられたのです。



仙腸関節を緩める施術をする施術院にいく』のは、
仙腸関節が緩むこと』とを期待しているためです。


子供の頃から運動は苦手で、
極度の過緊張体質で体調を悪くしていたといいますから。
お客様が長い期間をかけて仙腸関節部を調整する施術を受けていて
現状では以前と比べれば、良い状態になっていることなのでしょう。


そう私は信じています。


ですがまだ仙腸関節が理想とは遠い状態です。
だから施術を受けたのちの数時間で、
またいつもの腰痛を感じてしまった、
ということのようです。


力学的な骨盤部の傾斜がありつづけて
胴体(特に腰椎部)が前後にくの字になっている。
そのまんまの状態でしたら、
施術後にすぐ腰痛が再発するのは当然のことです。


施術を受けて腰椎周囲の過緊張した支えになるしこりのみを
取り除かれれば、状態は悪化することでしょう。
残念ながらこれはときどき見受けられることですが。


お客様の身にとりまして、
辛い状況が継続している。



認識では仙腸関節等を解いていただける施術院に通っている。
でも改善する過程を自分では把握できないため、
問題が長引いてしまったようです。


そうこうしていて月日は流れ・・・。


私どもの施術に通っていただいて
7回ほどこの部位を丹念にアプローチしていきましたころのこと。


施術の積み重ね成果は私とすればまだまだ難アリと思える箇所が
いくつもあるので気になってしかたがないのですが。
中間報告的に、メールでいくつかの気づいた点をお送りくださいました。


・施術を受けてその成果が長く感じられるようになってきた。
・仰向けで寝れるようになった。
・仰向けに寝たときに腰が反って持ち上がりすぎていた状態が、ずいぶん緩和した。
・呼吸が楽になってきた。
・生理痛が半減しているか、無痛のときもあって助かった。
不妊症でしたが妊娠した!
等々の変化が感じられるようになってきたそうです。^^)


この時点である程度の仙腸関節や腰仙関節の関節の可動がでてきたため、
体の使い方を伝えられるときに私が何をいっているかの意味が
頭だけではなく体でわかるようになってきた。
それにより姿勢の重心のとり方などが少しずつ身についてきました。


ですが私が納得できるパフォーマンスではまだまだ。


他の施術院よりずっといい結果が出てますよといわれても、
その人が本来有している理想的な身体機能を発揮できない。
それが他の優れた理想型のお客様方の体を触っているため、
ありありとその違いを感じとれる。


どうにかそこまでもっと近づけていきたい。
そこのところは個人的にとても欲張りなんです。


施術を受けていただき、
ずいぶんよくなってきたと喜ばれているのを横に、
「うん、そうですね!ずいぶんいい感じになってきたと思います」
といいます。


ただ私の目標が定まっているところがかなり高いため、
「でもあなたの体の性能はこんなものではなくって、
もっと素晴らしいようにもなれるんですよ。
私がそこまでお連れするまでの力を持てるよう頑張ります」
という胸の内の思いはいつ止むことなく強くなる一方です。




まだ私の場合は精度面では荒削りな仙腸関節等へのアプローチです。
ただひところと比べれば対応力は格段に優れたものとなりました。
お通いいただいたお客様がいていただいて身についたものです。
感謝の気持ちがたえません。


最後に。
施術院もやはりその方のお体の状況とあうところかどうか、
状況により一定期間をめどに再検討した方がよいときがあります。


上述のお客様は紹介でボディワイズを知ってお見えになられたのですが、
前の施術院では一切の体についての質問も受け付けてもらえなかったし、
体への指導や解説もなかったそうですから。
少しの説明をされるだけでも新鮮だったし、
自分の体の問題点を初めて認識できたと申されていました。


自身で「仙腸関節が緩む状態とは?」という状態認識をできれば理想的。
他の方の仙腸関節の理想的な可動やポジションニングができている人を
触ってみる機会を持てれば的確な判断を自身で行えるでしょう。
柔らかく動いちゃうものなんですよ。


本当に!


明らかな違いがある。


とてもいい改善ポイントを見つけられたことになります。


お客様自身のお体です。
お客様自身がお体の状態を把握して
なぜ仙腸関節が動けなくなるかの
カニズムを理解しなければダメですよね。
その理解が乏しければ、
また仙腸関節の可動が奪われるのは時間の問題です。


そのようなところを気を付けつつ、
柔らかい仙骨の関節可動が出来る人に近づけていきますと、
その後の健康の質が大きく変えられるものといえるでしょう。