古傷が疼くといいますが・・・

血の流れが行き届くところは、
神経が働くようになっている。


これは当たり前のようですが、
忘れがちな事実でしょう。


炎症がおきている患部が治癒していく過程には、
ダメージを受けていて再生するため血液をそこに集めるようにする。
つまり脳へとダメージを受けている部分があると情報がいくことで、
ダメージ部分へ血液を多めに集めてくれるように割り振りをします。


そのときの割り振り方は、
問題部分にドンドンと血液を送り込めばいいというわけではありません。
他の臓器が必要とする血液量を極力確保しつつというやり繰りが必要です。
そうすることでダメージの再生で全体の力でカバーできるようになります。


血液を必要とする部分の優先順位を考えて削れそうなところから適量削る。
そのためには脳が常に体全身の状態を把握しておらなければなりません。

ただ正常に血液が体の隅々までまんべんなく流れていれば理想的ですが、
体の内側にできたしこりが血管を圧迫して血流を悪化させているとどうか。


そうなると脳が血液の行き渡らない部分からは十分な状況情報を得られない。
たいていはそのような血液が停滞している部位が慢性化してくると、
その先は血液の暖かさが行き届かずに冷めた筋組織となってしまう。
そして筋組織は癒着が進みやすくなり状態が悪化する特徴があります。


そうするとそのような部分は
血が行き届かない部分となります。
そして神経があまり働かなくなります。


麻痺をその血液が行き渡らない度合いに比例して起こしてしまうのです。


ですが・・・
皮肉なことかもしれませんが、
このような麻痺を感じてしまうことで炎症を感じないで生活できている。


激痛を引きずりながら生活するのは精神的にも辛いですから。
鈍い感じ程度での漠然とした不快感があるだけか、
またはまったく麻痺した部位の痛みを感じないか。


たいていのときは以前に感じた腰椎などの様々な痛みは、
理想的な血液が行き渡り治癒されていったならばよいが
炎症という血液を患部に集めて組織を再生する力が
患部に十分及ばなければどうなるでしょう。
そのようなときは体の深部に炎症が起きている状態を保ち続け
隠してしまう。
患部を体の奥に封印してしまうようなのです。


そのような炎症は炎症を起こしたダメージある組織を分解させ
再構成させるための血液の集まりが必要となります。
それは血液により組織を再構成するための材料が運ばれてくるのです。
血液が再構成するに足らない程度なら手のうちようがありません。


そのような体内奥に隠してある炎症を持った部分は、
じ〜っとその場で血液が運ばれて患部を癒してくれるのを待ちます。


そのようなときに施術で深層の患部が隠れているような部位に
血液をせき止めていた筋肉の硬さを緩められたとき何が起きるか。


血液が患部にまで神経が働けるほど流れこむと、
脳が自分の体の中にできていたダメージを持った組織を発見する。
そうすると麻痺を起こしていた患部は動き出します。
炎症という警告痛のような血液をそこに集めよと旗を立てる。


そうなるとかつて感じたことのある痛みを追体験するかのような
つらい痛みがぶり返してくることとなります。


そのようなときには少なからず心の準備が出来ていてさえも驚きます。


ですがこのときに血液が酸化した患部を洗い清め、
栄養分という傷ついた組織を再成する材料を運びこむという大仕事を
水面下でおこないます。


施術を受けるのも
「痛くなるのは困る」が「このままでも困る」という、
二択となることもあるのです。



ただ見定めなければならないことがあります。
施術で血流が患部へ届いた反応なのか
または施術という外圧によりダメージを受けやすくなった患部が
施術以前より問題がある状態に移行してしまったのか。


そのひとつの見分け方は、
患部が癒されだす状況になったかどうかは、
体の奥に封印された麻痺した炎症部位が痛みを感じだすわけですから、
以前感じたことがある痛みか類似する痛みとしてでることがあげられます。


低気圧になると古傷が疼くといいますが、
そのような古傷も体の奥にできた通常麻痺したままの患部ならば、
血液がちゃんとそこへ流れてくれて治癒の過程を通ることが出来れば
改善するようなことがあるのかもしれませんね。^-^)