歯医者にて。 神経がない怖さ、痛感してしまった話

いま、歯科医院に通っています。

歯科医:「左下の奥歯。神経を抜かれている歯ですが、どうやら虫歯になっているようです。かぶせたものを取りましょう」

私:「はい、お願いします」

歯科医:「痛みはないはずです。神経を抜いてあるので。。。おぉやぁ・・・」

以下、( )内は、私の心の声です。

私:「・・・?(なに!なにが見つかったんだ!?)」

歯科医:
「虫歯が進んでるので、土台も取っちゃいますね。全部、やり直しです」

私:「(ショック!! お手数をおかけします・・・)」

歯科医:「痛みがない歯って、虫歯になっても痛まない。だから虫歯があること自体、気づかないんですよ」

私:「(確かに・・・。まったく、そこに虫歯があるなんて気づいてなくて。。。正直、土台まで外されるほど、虫歯が進んだんなんて)」




これと同様なことを、私がお客様の施術をしていても気づくことがあります。


お客様の中には痛みがあって厳しいといわれる方には2つの異なる場合があります。

■ ひとつは、代謝力がよくいきわたっており表層の筋などの浅い部位が張っただけの人。
  状態としては軽度から中度ほど。

■ 他は、代謝がいきとどかない体内組織部位を作り出して痛覚神経麻痺までは起きていない人。
  状態としては進んでおります。
  ですが痛みが感じられるときは、施術成果が出せるほどの血流量がみられます。
  本人の血がダメージを受けた部位にふんだんに流れ出すことにより、
  異常をきたした組織の細胞がようやく置き換わることができます。
  その状態まで押し上げるのがこの場合の方には、施術の役割です。  




お客様の中には痛みは別にないが調子が悪いという方もおられます。
このときも2つの異なる場合があるでしょう。

■ ひとつは、ほんとうに軽度。
  ただ、このようなお客様は私の所は興味を持たれることはないです。

■ 他は、自律神経上の不調を感じておられるなど、なんらかの潜在する不調はすでにあるという自覚はありますが、
  それが「痛み」という出方はしていない人です。
  このケースでは、本人の認識に反して状態の悪化が進行していることが多々見受けられるのです。





私のような歯の神経を抜かれた場合は別として、
痛覚神経が存在して生きている場合では。。。

痛みが感じるには、痛覚神経に対してその神経が働く最低限の量に満ちた血液が与えられていることが前提です。
たとえば、脳は神経のかたまりのような組織で心臓から送られる三分の一という多量の血が、脳の活躍には必要。
神経って、活躍させるためには脳と同様に、多量の血を消費するものなのです。

痛覚神経が作動して炎症を起こすことでダメージを受けた個所に血液が治癒が進むよういつも以上にふんだんに届けられるようになります。
打ち身になってあざができたところが、ドクンドクンといつも以上に血の流れがそこに感じられるのは、
血液をダメージを受けた個所に集めて送ることで治癒を進める機能が作動してのことです。
十分な血が与えられることで、その部位にある壊れた細胞を置き換えるなど再建して、
順調に治癒のサイクルが回りだします。
これが通常の自然治癒が働いている状態です。

それがダメージを組織が受けていたとしても痛覚神経を働かせるだけの血液量が患部に流れていないとき。
優先的に血液を修復すべき個所に送る量を増やして改善させる機能が効いてくれないまま放置されます。
そこは血液量が少ないダメージ修復力が劣り、組織的にも壊れやすい弱化した個所です。
そうなると慢性的な状態で血液を送る力が弱かったり、血の量自体が少ない場合。
痛覚神経が働ける十分量の血液を確保できていないことが起こります。

すると、今回の私の歯医者で指摘されたような
「えっ!別に、そこは何ともないところだと思ってたんだが、、、。
 そ、そんなに、状態が重かったのか!」とショックを受けることも。

(※ ただ・・私としてはあまりそうした部位を見つけても、逐次、「ほらココ!、ほらココにもあるよ!!」と伝えることは、
   よほどのことではない限り、いたしておりません。 
   マイナスな状態を連呼されると、テンション、下がりますから。いうにしても本当に控えめにしています)


そういうダメージを背負っても痛みを感じられるステージから、すでにはみ出てしまったとき。
ダメージを受けた個所を、無意識にさらに過酷な汚し方をすることが多いので、ダメージの上乗せをしていることがあるのです。
痛みがあれば注意深くダメージ個所に更なる負荷や負担を強いないようにしますが、
痛みがないんですから。
そういった痛みが出なくなるほどの場所は、
その人にとって、最も負担を蓄積させてしまう弱い個所です。

それが加速を上げてダメージの根を深めるのです。

ちなみにそういうことが起きる場所は、
慢性的な場合がほとんどのようです。
「昔は不調だった。だが今は、そこは治っちゃって痛みはないよ」
といわれるとき。
本当に治癒されたか、それとも悪化して痛みが消えたかのどちらか。
特別な改善をさせるような手段で改善を促していたときは治癒に向くこともあります。
ですが意外に悪化して痛みが消えた状態になってしまっていることも、ままあります。


だからお客様の個人差もあるのですが、
私が施術でアプローチする個所の6~8割方は
お客様が自覚している痛みがある部位ではありません。

お客様が自覚できていない、すでに痛みが感じにくいか感じられなくなったところの改善に、
多くの施術時間を割いています。
そういった現状の痛みがでていないところは触るなというのは、
施術をするときのルールのひとつとして暗黙としてありますが。
それはそういったところに手を出す労力が半端ない作業量と神経のすり減らしを、
施術者に課すことにもなるからです。

それに、そういった痛みが感じられない部位を解かれても、
お客様にはそのような場があることが認識されておらず、
ときとしてそこを解くことはお客様からのクレームが出ることがでてきます。
よほどの信頼関係がお客様と施術者との間でなければ、そこまで突っ込んだことはできません。

そしてお客様は、そのような麻痺した個所が将来にわたってどのような影響をもたらすかもご存知ないでしょう。
無痛化したマヒ部分の大きなものを持つ人の体には、
その部位をかばって動作するためにつけた別の痛覚神経の働きを悪くさせるような部位が現れたり、
複数の課題が筋膜の層ごとに封印されていることが多いようです。




よほどのトップアスリートの方でもない限り、
観察力の優れた施術をするものであれば、
麻痺の起きた状態の場所は見逃さないでしょう。


個人的な、施術を受けにいくメリットはどこかという見解ですが。
施術を整体院で受けるメリットは、
本人が自覚や認識ができなくなった身体内部に潜伏したマヒをともなったダメージ個所のダメージに、
早いうちに手を打てるという点にあると考えております。
(※ すべての整体の先生方が、麻痺した神経部位を意図的に見てくださるわけではありません)


私事ですが、小さな虫歯が加速して土台をとるほどの惨事が起きていても、
今回は歯医者さんが気づいて治療していただけたからラッキーでした。
神経がない歯だから、状態悪化が進んでも本人は平気な顔をしておれるも、
いま手を打てていなければ、後に左下顎の骨が溶けてしまい取り返しがつかない。
そういった大々的なダメージを受けてしまうことになっていたようです。

虫歯は痛いのが当たり前だと思っていたのですが、
痛覚神経がなくなれば痛まずに奥へ奥へと、歯や骨が溶かされていく。
そうして歯の痛覚神経以外の痛覚神経が響きだしたときには、
我慢しようがないほどの苦痛を感じていたことでしょう。。。


そうならなくて、本当によかった。。




なんだか妙に体内の痛覚神経麻痺を背負ったお客様の状態と、私の今回の歯のことがオーバーラップして感じられました。


定期的に歯医者さんにいく理由。
私が認識できない部位の状態を教えてくれるから!
そのことに対し、いたく説得力を感じました。
神経がない怖さ、痛感してしまった。



用心深いお客様がおられましたら、
お近くにしっかり深層部の凝りができて痛覚神経が感度が弱っているようですといったことを教えてくれる先生を見つけ出して、
一度、ぜひ足を運んでみてください。

これからの健康を維持するために必要な身体経営の情報を教えてくれるでしょう。
施術者の立場でのセールストークではなく、
ほんとうに小さい虫歯程度の時点で認識できるようにして惨事にしないようにすることは、
大事なことだとお伝えしたいと思いました。