『下段の構え』といわれても、、、私に関係ないじゃない。 いえいえ

木刀での素振りについて。


以前、知り合いの先生が、
「木刀を振るときに重さを感じないというのは、どういったことなのか?」
とおっしゃられました。
そのときの自分なりの回答を込めて書かせていただきます。


そしてそれは、私の大腰筋ウォーキングの質の飛躍にもつながるものでした。


同時に私の施術のやり方の場合は、こんな修練は施術に関係なさそうですが、
こういう地道な訓練に膨大な時間をかけて今に至る成長があるのでしょうね。 ^-^



聞いたことがあるのですが、
剣を教える道場に入門するとき。
入門者が優秀かどうかを絞るために、
ひたすら素振りを繰り返しさせた。
繰り返し素振りをする、何百も、何千も、何万も。


そのなかから素振りをするうちに、
コツをつかんで太刀筋が良くなるものもいた。
コツはつかめずに体を壊して去るものもいた。


その両者の違いは?


それは洗練させるという言葉に適した内容です。
練習する際に磨きをかけるよう荒削りな部分を
自分で気づいて改良を一振りごとに加えてたか、
機械的に未熟状態で繰り返しの素振りをしたか。


塚原卜伝の流れを汲む鹿島神宮御神刀は重くて。
機械的に未熟状態で振り続ければ体が壊れます。
竹刀の軽さとは比べられません。


入門者を振り落とす試験なら、
解答は自ら得るのが試練です。


ただ機械的に100回も力みながら素振りをすれば、
呼吸がしづらい緊張状態での緊急避難をしなければ。
やっていられない状態になるわけで、
それは後々にわたる身体操作の悪癖となり、
それをリセットは、かなり難しくなります。


つまり究極に至るには遠回りになるのです。


センスを磨くには、
次のような流れをもって、
ステップアップしていくといいでしょう。



0.素手で木刀を持っているつもりで素振りをする。
両手を拝むときに手を合わせる形をとり、それで素振りをします。
素振りの際に、背中側を使っているか、お腹側を使っているのか。


1.鏡で振りを観ながら軽い木刀で動きの精確さを創る
剣先のぶれや肩の高さ、頭の傾き、様々な部位をチェックできる。


2.重い木刀で胆力を創る
下段の構えから腰で上に持ち上げるとき、力感がなく持ち上がる(私の個人的感覚)。
背中側の筋肉群が弓の糸を引いて曲げ戻されることを待つ状態へと持っていかれます。
すると自然に持ち上げられた重い木刀は重さを消して、前に打ち出される仕組みです。


「下段の構え」から、
というような気づきを持たなくても、
運動神経のいいものであれば背中の筋肉の使いようを理解して、
脊椎を挟んだ前と後ろの両方をバランスよく空間を使えばいい。
そのような知恵を得ることでしょう。
この下段の構えでは実戦でうまくいくかどうかわかりませんが、
まずは訓練なのです。


前に打とうという気が急けば、偽りの筋肉操作しかできません。
そこが初心者で独習しようとした私も陥ったところでしたから、
けっこう、今まであげてきたことは自分の身を崩しながら得た。


ただ、、、剣道関係の本をチェックして稽古法を観たら、
まんま、同様なことを解説してあって、愕然としました
まぁ、、、楽しみながら理法の悟りへ近づけたのですし。
よしとしましょう。 ^-^


なぜ、私がこの下段の構えからの素振りを説いているかというと、
この構えに気づいた後に大腰筋を使った歩きへの工夫が進化した。
それも一歩も二歩も、すばらしいステップアップだった。




前に、前に、という焦り。
その愚かさが体感できた。



前に打つには、その手前にすべきことがあるのです。
前段へ心を通わせることができれば、前に打つのは、
自動的に実行されてしまうだけであったのですから。
それは体感でリアルに教えてくれていて実感できる。


それが付け入る隙のないものへと駆け上がるための、
体現された道でしょうか。


そしてこれができるなら、
そこからまた磨きをかけ、
進化させていくものです。
伸びがいいのではないか? ^-^





身体操作だけではなくて、
心理操作にも通じること。


その気持がすでに身が倒れて非力な迷いにいることであると悟るのは、
下段の構えの振りあげ素振りがショックなほど軽くて軽くて。。。


質の優れたところを得て、
未熟な操作とそこから抜け出た境地との理法を悟るならば、
前に振り下ろす気持ちは、前から振り上げるところから始めよう
そこが抜けているならば、機械的に前に木刀を振り下ろして身を滅ぼす。


それは人生のやり方でも、
そういうものなんだろう。


素振りをしながら感じる。


私はほとんど独習して伸ばしているので、マイペースで深化進行中です。
独習故にモチベーションが下がれば怠惰になりそうであったり、
一人で道に迷うこともありますが、それら合わせて楽しみなんですよね。