昨日、お客様から、施術の稽古に関心ありという連絡をいただきました。 ^-^ ありがとうございます!

『施術のけいこ』につきまして。

昨日、お客様から、施術の稽古に関心ありという連絡をいただきました。

ありがとうございます!!

実際問題として、施術の技術は、昨今、一般の方が買われる施術本でも、
そこそこの内容が記されているものが多く出回ってきました。

私もそのような本を拝見し、参考にさせていただくこともあります。


ただ、そのような本を入手した方に以下の質問をさせていただくと。
「実際、その本を見て手技、やってみましたか?」

・購入当初は、期待に胸膨らませて手技を実践しようと思ったのだが。。。
 これで本当にいいのか不安でできなかった

といった返答が多く寄せられてきます。

たとえば。。。
・それはどのような力具合でどの角度や方向への圧をかけるとか。
・どのようなリズム(タイミング)?
・呼吸の間合いは?

それらをわからない詳細は無視して。
とりあえず見よう見まねでやってはみた。

が、、、。
これが本当に正解かどうか判断がつかなくて、
人の身体を壊したらいけないと思ってやめた。。。

本を見てみると簡単そうに思える内容に見えたはずが、
試したときに施術の疑問点が初めて浮かび上がることが多くあるのです。
すると、なかなかそれから先に進めなくなって放置しています、、、。
ということでした。


そこの気持ち。
私も痛いほどわかります。

手技とは、現状の身体の状態に、なんらかの外圧等を加える介入をおこないます。

さほど効果の出ない手技には、それを受けたためにおこるダメージは少ないのです。
ですが効果が出る手技では、手順や詳細をわからないままでおこなえば身体の改善以上にダメージへと針が振れ、
人的な介入がおこなわれてのダメージはプロでもなければリカバリーはムリだと思います。
自然に生じた骨格筋の張りや骨格上のずれに対しては対処する方法がありますが、
人的介入がなされたダメージを修正する方法が書かれた本などありませんからね。
プロでも難しいというのがホンネなのです。

そういうことを、人は、やはり本能的に察知する力があるのでしょう。

ここから先の領域、いまの自分は足を踏み入れないほうがいいだろう。
そのようなことをおもんばかって、見切り発車をとどめるのでしょう。


そういったレベルの手技も3000円台のテキストで手に入るようになったというのは、、、
私にはありがたいことですが、一般の方がそこを手に出しても宝の持ち腐れとなる。。。


もともと紙面から施術法を学び取るって、私たち、専門的に手技を勉強するものでも難しいかムリ。^-^;
私個人のことでもありますが、私の同業の先生方に聞いても、そういった感想がでてくるものです。

だからこそ一般の方の施術の稽古のとっかかりには。



   このやり方だったら一般の方がやったとしても、
   「効果はあるし、リスクは対面で講習を受ければ低くできるもの」が大事。
   

そこからはじめないと、
たぶん、継続したいと思えるモチベーションが持てずに続きません。

あとはモデルさんのカラダを観察して、なにを気づくか。
直感的な感覚を使って吸収する情報収集力を育てること。

左右差、上下前後のずれ、ゆがみ、等々の違和感を察知するAIをしのぐセンサーを、
もともと人は本格的なものを持っていて、そこへの意識を育てようとするかどうか。
専門家も臨床から、そこのセンスを徐々に積みあがるようなものですから、
いきなりハイレベルなことまでわかろうとする必要はありません。

ですが施術の稽古でそのような視点で人を見る目を養うきっかけを得ると、
着眼ポイントが身についてくるでしょう。


他の面で言えば。
たとえば
「筋肉が張っている、凝っている」という場合でも。

A)最近、急に使い慣れていない筋肉を酷使して凝ったとき。

B) 数年かけて、徐々に筋肉の凝りを蓄積してきたとき。


それでも様子が違ってきます。


A) では、筋肉を酷使してパンプアップしようとして血が集まってきている組織の再生をベースに置いた状態ですね。

  陰と陽でいえば、陽

B) では、すでに筋膜が深層まで硬化が浸潤しだして骨近くまで硬くなり、そちらに関係する静脈や動脈の流れを阻害しだしている。

  陰と陽でいえば、陰


私の見方ですから一般的ではないでしょうが、
この、陰と陽では、対処の仕方がまったくことなってきます。

『陽』は、急性期です。
復活をしようと本人が自力を尽くして、がんばれているので陰ながらのバックアップにとどめるべきです。

ただしこの場合は施術の効きがよいという反応がでてきます。
施術を受けてくれるモデルさんとして、このような人を見つけられると変化がわかりやすいので、いいかもしれません。
手出ししすぎると、けっこうこのようなときは炎症の痛みがダイレクトにわかる時期ですから、
非常にいたがられて不快さが顔に現れますし。
自身の血流をうまく上乗せできるような下地を作らせていただくのが最良でしょう。



『陰』は、慢性期です。
すでに動脈や静脈への圧迫が進んでいて正常な血流量を稼げていない状態です。

それをそのまま放置しておりましても、悪化が進むか、現状維持ということになりかねません。
なので私どもが主にマークしているのは、こちらの陰に傾いたところです。
この場合は、トリガーポイントという発痛エリアもありますが、
実際はそのトリガーポイントの裏や別に隠れた発痛というより麻痺した組織が内在しています。
そこは血流が減少して痛覚神経や温覚等を感じる知覚神経系の感度が正常に維持できていません。

そういったところを手をだせるようになって改善できるとき。
その施術を受けた人にとって、
一回の施術ですぐに元通りとなるという単発でシュンと終わることではなく、
一回の施術により内部が継続して変わり続けられるような変化をあたえられるでしょう。

私は、どうやったらこの一回の施術でしばらくの間にせよ後々まで変化が続くきっかけをつくりだせるか。
そこに焦点を当てて、そこに対してアプローチをするようにしています。
そこの原理原則は臨床から得たものも多くて、いまはまだ他の方へつたえる自信はないのですが。
私自身、お客様の患部に手で触れるか、または何度もお越しいただいているお客様のカラダの状態把握が進んでいますから、
2~3の質問をさせていただくことで、様子を把握できます。

カラダの不調を感じられているとの主訴に対して、陰陽のどちらか、、、とか。
実際の人体を見れば、
「急性期パーツと慢性期個所が混在しているのが通常」です。

ただ施術の稽古をするようなときには、
大雑把にでも、こういったことはみるのが普通です。
そこを吹っ飛ばして書かれた施術の解説書もありますが、
もともと施術の手技解説書の位置づけは、
セミナー等で直伝されて要領がわかったあとに
後に読むといい参考書的な意味合いが多いものなのです。

だからなんですね。
事細かすぎる事前の下地となる解説部分のところにページを割かない。
「そこはセミナーで教わってよね」が業界的に”暗黙の了解”なのです。
かゆいところまで手が届く本もありますが、
たいがいの専門書よりの本はそう思っていただいてもよいでしょう。



その先生ごとにいうことややることはだいぶ違うものですが、
実地で対応して成果を出せている人の見立てには、
みな、いい視点があるので参考になるはずです。


そのような見立て方について。
私も施術をさせていただくお客様を前にして詳細な解説をすることは時間の関係上それで小一時間必要でできませんが、
少しずつでも「へぇ~。施術をする人って、そんな目で、身体を見てるのね」ということがわかっていくにつれて、
その見方で自分自身の身体を観察することもできるようになり、自身のためにもなりますよね。



ということで。

施術の稽古とは。
少しずつ実践的に人のカラダを素のままで感じ取れるようになること。

果物のスイカなら、ポンポン叩いて音で中身の詰まり具合を見ますね。
そうやって、観察眼で全体と部分を直感的にとらえたり、
触って違和感を感じたりすること。

あらためてそういったところがわかるようになったとき、
現場をしっかり実況見分したレポートがかけるようになります。

そのレポートをえらてたからこそ、
「じゃ、この人にはこのような介入する手技は有効」と自信をもって手をだせるようになるのでしょう。


通常、臨床では、この「レポート」が一定の精度で書きあがらないうちは手が出せません。
いくら長い時間の施術をするといっても、
手技の無駄打ちするようでは改善はおぼつかないですし、
大きな変化を呼び込もうとするなら、
裏側では不測ダメージが与えられる。
目をつぶって崖っぷちを歩くような愚かなことはできないのは、
一般の方も、まったく同様なことですから、
施術の手技が解説してある本を読んで納得できなかったり未消化部分が感じられると、
実際の手技をするまでは至らないのだと思います。




整体の学校は私もいきましたが、
そちらでは手技の技法をひとつずつ順を追って伝えるというものです。
そうやって抜け落ちる穴をふさぐようなトータルサポートができないとお客様をみることはできません。

ただ一般の方が施術の稽古をするときに、、、開業希望であれば話は別ですが、、、
そうではない限り、しっかりとした人体を見る観察眼をみがくことと、
いくつかのシンプルな手技のみをまずは身に着けるようにしていくといいと思うのですが。。


施術を学ぶ際に連れてきてもらうモデルさんにカラダで改善希望の点を具体的にヒアリングしてもらい、
そこで改善するものはその中の上位3つのみに絞るといった具合で。

まずはその3つだけクリアーできるまで、やり方を磨きましょう。
ゆっくりと時間を使っていただくと。
たとえば、肩のリリースなどは、実際やってみてうまくなると、
五十肩、四十肩、、などの人が、手が上にあがる上限がグンと高くなって驚くようなことを。
技を磨けば磨くほど技の冴えが輝きが増してできてくるのです。



・・・と、現在『整体のけいこ』講習を、、、
受けてみたいという好奇心旺盛な方、連絡お待ちしております。 ^-^


私は、まだお伝えのしかたのテスト段階ですから、
その点をご理解いただいて問い合わせていただければうれしい限りです。

 

施術のけいこで心得がついてくると、

施術モデルになっていただく方の身体改善に寄与できるばかりではなく、

それにより身体的な自己管理能力がアップすることが期待できるでしょう。