仙骨が動かないと頭に悪影響って?

後頭骨と仙骨の関係性。

カイロプラクティックのSOTやオステオパシーの頭蓋仙骨治療などを学ばれた先生方には既知のことで、
せんだってコメント (http://bodywise-note.seesaa.net/article/498234820.html#comment)で
山中さんが「頭蓋骨がガチガチ固まった石頭は危ないです。脳梗塞を起こして片麻痺になった患者さんは仙骨が前傾でロックしてます。当然頭頂骨が締まりっぱなしです。」とおっしゃっておられました。
ほんとうに、そういった傾向があることが、脳梗塞を起こされた方のお体を観れば、
現象面でそのような仙骨と頭蓋骨の状態に陥っていることを観察することとなります。
脳梗塞以外にも付け足すならば、認知症になられやすい方の傾向と当てはまるという先生もおられますね。





正常な仙骨であれば、呼吸の吸う吐くのタイミングで前後に動きます。

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仙骨の上に手をおいて呼吸をしていただくことでモニターできるでしょう。
こうした仙骨の前後に動く力が原動力として活用され、
頭蓋骨内の後頭骨が仙骨の動きに同期して前後に動きます。
仙骨が前に動けば後頭骨も前に動き、
仙骨が後ろに動けば後頭骨も後ろに、という動きの規則があるのです。
頭蓋骨内の後頭骨が仙骨の動きを無視して単独で動くことはありません。
必ず仙骨の動きに連動して後頭骨が動きます。
そしてスムースに仙骨が動くことで後頭骨の動きもありますし、
骨盤を構成する仙骨ともうひとつの骨の腸骨の動きや位置を
頭蓋骨のこめかみ辺りにある側頭骨の動きが倣って動くこともあり、
それら仙骨と腸骨の動きが順調に呼吸で稼働する量に準じて、
頭蓋骨の後頭骨や側頭骨の動きが現れます。

だから仙骨に手をおいて動きの質を観れば、
その人の頭蓋骨の動き方、位置がどのようにずれているか、そのずれの量などを推測することができるのです。

仙骨が恥骨側に近づいたまま固定しているなら、後頭骨は顔の前面へと近づいたまま固定します。
仙骨がねじれていたまま固定しているならば、後頭骨も多くの場合、ねじれが生じているでしょう。
後頭骨のねじれの様子は、胸椎等でねじれが進めば仙骨と後頭骨のねじれ方は違うこともあります。
または仙骨に恥骨側に近づき同時にねじれがあれば、それらの兆候は同時に後頭骨により起きます。

脳内では脳脊髄液という液体が生成され、脊髄神経のための栄養源として使われており、
仙骨の動きにより起きる頭蓋骨の拡張収縮が起こされたときに起きるポンプの力で、
脊髄へ向けて脳脊髄液を送り流します。

頭蓋骨内の脳は、頭部の脳脊髄液の液体をたたえた特設バルーン状プールにちゃぽんと浮いたフロー構造になっています。

仙骨の動きが理想なら、順調に脳内の脳脊髄液を脊髄へ運べれば、自律神経系もしっかり動けます。

でも仙骨の動きに制限が加えられれば、頭蓋骨内の特設バルーン状プールの脳脊髄液が胴体へと送れません。
すると頭蓋骨内に脳脊髄液が理想の限度を超えてたまりだし、そのプールは脳脊髄液でパンパンになります。
そうなると脳脊髄液が脳へと圧迫の力となってギッチギチと締め付けが始まり、
脳内に入ろうとする血液を受け取りづらくしたり、脳内で生まれた排泄すべき物質が外へと運べなくなります。
こうした脳内部へ積み重なった圧迫の過剰により脳内の血管に負荷がかかることもおこります。
この状態と高血圧に加えて精神的な強烈なストレスがくわわると、脳梗塞の引き金になりやすいとみられています。
また脳内で使い終わって排泄すべき物質も、脳圧が高まって脳内に貯まればアルツハイマー型の認知症へ向かう傾向が観られるといいます。

生理学や解剖学的なベースあっての理詰めで話がほとんどなので、
そういったベースになる知識を丁寧に解説すれば誰でもなっとくの話です。
ただ、そうした傾向があるだろうということは把握しておりますが、
わたしども施術をするものは医者ではありません。
お客様から直接的にその事案について知りたいと要望がない限り、
私どもが進んでこういった仙骨の状態はこれこれのおそれが懸念されるためよくないなど、
お話することはありません。
お客様が懸念材料を羅列されて不安なこころを誇張させるのは得策ではありませんし、
そのようなことは役分ではないと考えています。


ですが山中さんのようにしっかりした施術のこころえのある先生には、
施術により得た独自の臨床による見立てもふくめて
「こういうことって、あるよね」
「そうなんだよね」OR「えっ、マジですか!?教えてくれてありがとう」
という話がでてきます。
そうした言葉掛けをしてくれるって、うれしいんですよね。