仙骨の上の仮骨といえるほどの骨に身間違わんコリをみつけられるようになったのは、そういえば。。。

一昨日前に、江ノ島の杉山和一検校のお墓(正確に言えば分骨されて埋葬されたわけではないため、高野山にあるお墓と同様な意味合いとなるものか?)に、お参りへ。
本所にある江島杉山神社という杉山和一検校が鍼や按摩の講習所をひらいた地に建てられた神社より、
私の部屋の施術をする場に杉山和一検校の坐像をお分けいただき、安置させていただきました。
そのところ、不思議なご神徳と感じられるほど
お客様の施術をするときに身体の隅々が見え感じられる感覚が増してきました。
そうした経緯もあり、それとたまに自然のなかに足を運びたいという衝動から、
江ノ島へ足を運ばせていただいております。


からだを観るという視点から、経絡の活用があります。
体内の皮膚表面から筋や臓器や骨などの深部まで、
幾筋もの経絡線が走行しております。
たとえば経絡は、人体の構造上の歪みがあれば経絡は引き伸ばされたり圧迫されたり拗られるなど、
理想的な位置あいからずれが生じて構造上のあやうい弱みを内部的に設けることになります。

からだは隅々が部分は部分として正常な構造であって調和が取れておれば、
体の全身が統合して調子がいい。
だが構造上の歪みなどの問題は、
機能の発揮に異常を生じさせる場合があります。
たとえは悪いですが、自動車が事故を起こしてエンジン近くを強打してフレームが変形したら、
その後エンジンに異常が生じることってあるわけで、それと同様なことが人体に起きています。

胃に関与する経絡に(胃経)がありますが、
そちらは胴体の前面を通り顔や喉や足の人さし指までつらなるレールのようなもの。
そのレールの上を列車が通るとします。
ちゃんと整備されたレールなら列車は運行可能で順調に走りますが、
途中のレールに不備がありましたらそこで列車は止められるわけです。
それと似たようなことが経絡上にも起きており、
ある人は胃経の喉元あたりに胃経レールの脱線箇所がみうけられて声が出づらくなるし、
ある人は胃経の足の左人差し指に胃経ルートの脱線箇所がみうけられ押圧で響きがあらわれます。

経絡は他にも、大腸経や肺経、心経や小腸経、心包経や三焦経、(胃経に)脾経、腎経に膀胱経、肝経に胆経、それに督脈や任脈など。
経絡は身体の奥を走行するところもあって、
身体の深部等の内部情報を与えてくれる便利で画期的なツールです。
そのことがわかる前は経絡や経穴の本を観ると、げんなりしていましたが、
そのことがわかってからは(おもしろい!!)と、魅力に取りつかれます。

そうした内部情報をあたえていただきながら、
身体の実際を観ていくとき。
以前には見えていなかったものが見えてくるという、
観る側の私の眼の視野の拡張がおきてくることがあります。

ひとつは、仙骨周囲にできた仮の骨といえるような硬度をもったもの。
一見すると仙骨がそこにあるよに見えるのだが、実際はそれは仙骨ではなく、
骨と見違えるような硬度をもった靭帯や筋肉が凝り化したものであった。
これが脊椎の歪みを根っこの部分で作り出し続ける原因になってしまう。
仙骨に関わる基底部が身体の構造を大きく正常から逸脱するほどとなり、
そうした状態を改善できないことには安定した状態にすることが困難な方がおられます。
ですが慢性化した不調を持つそういった方の仙骨を観ると、
仙骨の骨に似せたコリができていて正常な仙骨かまたは異常も少なく許容範囲内に見える。
だが実態は、
ごっそりと仙骨の上に骨以上の硬さで『私は骨ですよ〜』とでも言いたげなコリがあり、
それが見立ての邪魔をしています。
そこでごまかされると脊椎の歪みの根本が改善する機会を奪われてしまう。。。

ここのからくりにフォーカスできたのも、
まさに杉山和一検校坐像を施術部屋に安置させていただいてからでした。

仙骨上に骨以上の硬さがあるとわかった。
だが仙骨ほどリリースに難易度が高いものもなく、
思慮深さも必須です。
そうしたときに身体の仙骨のある背部の膀胱経や督脈を観て、
骨盤の前側の腎経、胃経、脾経、肝経そして任脈を観ていき、
骨盤部の左右や上下やねじれなどの立体像をつくるデータを集めるようにします。
そうすることで『この仙骨の上にある骨っぽいものは、骨じゃないな』とわかる。
仙骨の上を解く前に外旋六筋を解くのですが、そうした梨状筋や中殿筋が解けた時点で、
仙骨上の硬化したコリが緩みだしてきております。
そうすると仙骨上部がどれほどの深さで奥に潜る変位ができているのかが見えだします。

そういったことが刷子が付くようになったのも、杉山和一検校坐像を安置してから。。。
江ノ島の杉山和一検校の由来、福石の前で、そのようなことを思いつつ、
感謝から手を合わせてきました。

 

余談ですが。

江ノ島で威風を放つ洋風パルテノン宮殿建物の風江の島大師(http://www.cityfujisawa.ne.jp/~daishi/)へ。
中国刺繍仏画展、見学自由とありなかにお堂の奥へ入らせていただきました。
すると階段にA4ほどの光沢ある糸で緻密に仏画が表現された絵が10数点展示された空間がありました。
それは1枚、10代女性が1時間作業して2時間休み1年をかけて作られた作品だとか。。。
これほどの根気のいる作業は10代女性じゃないと務まらないということでした。
近距離でみるよりも、ちょっと離れたところから観てほしい。
すると奥行き感とハイライトにより立体写真家と目を疑います。
刺繍の中には様々な視覚的な魅力を引き出す技法が巧みにもちいられ、
仏画として仏の威光を余すところなく表現なさっておられました。
一枚の刺繍に心血を注ぐ女性の熱が、
その仏画刺繍に込められているのが伝わる出来栄えです。
江の島大師に参拝なさられ仏画に関心ある方ならば、
ぜひ拝観させていただきましょう。