筋膜とは記録テープのようなもの。

オステオパスのなかでアメリカのみではなく、日本でも有名な先生にDr.アプレジャーがおられます。
彼は次のような示唆に富んだ言葉で筋膜を評しています。
「筋膜とは、過去の感情、体調、すべての記録を残す記録テープのようなもの」

どういうことかというと、たとえばとても悲しい思いをしたときに、その悲しさにうちひしがれている姿勢をとります。胸を張って悲しむ人は少ないですよね。たいていがうつむき加減で、胸の詰まりを感じ腹の底の辺から「うぅぅっ、うっ」と、強い横隔膜の痙攣のようなものを感じます。そして猫背のようになり、前胸郭を閉じて呼吸がしにくいスタイル。呼吸困難な状態をわざとつくりだしてます。そしてそれはそのときの強いストレスを体に感じたくない、心に感じたくないというような本能的な防御を試みるために、呼吸をスムースにできないようにして体内の酸素量を低下させるのに役立ちます。
すると血液中の酸素量が減ると平行して体内の知覚神経はその機能を低下させられ、それと同時に外界との情報のやりとりができない不安から強く体の筋肉を硬化させて外界から自分の身を防衛しようとします。実はその際に、筋膜の癒着を非常につくりやすい状況になります。そしてそのときに癒着をしてしまった筋膜があとあとまで継続して体内に残ってしまったときに、「すべての記録を残す記録テープ」とよばれる存在になります。その記録テープにアプローチするときに、過去のそのつらかったときの思い出などが、ふとこころのなかによみがえってくることがあるからです。そしてその筋膜の記録テープとは、筋膜の癒着によって傷つけることで成り立っているので、その癒着が解放されると、その悲しかったときの記録がクリアされて心身ともに自己解放につながるという仕組み。

ときおり楽しかったことを思い出させてくれるような作用がなんでないんだろう、と考えます。きっと楽しかったことは今を大切に生きるためには封印しておくより忘れ去っていった方がいいのかもしれないですね。
若々しい5〜6才の男の子や女の子が、過去の楽しさに浸ること想像できますか?
子供は今を楽しんでいて一日400回近く笑うというデータがあり、それに比べて大人は15回前後。
今を楽しんで生きていけば、楽しかった思い出をわざわざ筋膜の癒着として残す必要がなかったことがわかりますよね。