「偉大なるバレエ教師のアドバイス」より---1

偉大なるバレエ教師10名のレッスンを詳細に記した本があります。
そのなかに各教師からアドバイスがあるのですが、
不思議なことに各々のアドバイスが相反することがあります。

たとえば。。。

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自分を傷つけてまで鍛えることはない。
それは意味のないことだ。傷つけても、それを観て傷つくだけだ!
優しく、しかし、自分を主張するように、自分の身体に優しくあるように。
(ラリー・ロング)

他人や医者はバレエを続けるとつま先や膝を痛めるという。
しかし、それが何だというのか。
普通の人だって膝や背中を痛めて手術を受けるではないか。
彼らは身体を使って興奮することなど決してないのだろう。
(アレクサンダー・ウルスリアク)

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(書籍:『偉大なるバレエ教師』/大修館書店より)

ラリーは体をいたわりながら、自分の体に優しくあるようにと説く。
ウルスリアクはダンサーは自らのつま先や膝を痛めることもあるが、
ダンサーは体を使って感動を得られるのだ、そういうものだと説く。

どちらのいう言葉もよくわかる。

私の職業柄ダンスをする方にアドバイスをするならば、
ラリーのように。
ですが後者のウルスリアクの情熱のほとばしりこそが、
芸術や喜びを表現するものとなると感じます。

その両者のバランス感覚が大切なのでしょうね。