【腹筋による腰椎免荷】を理解するためには、
「呼吸力」と「脊椎伸長力」の二つに分解するとわかりやすい。
■呼吸力
腹腔(内臓のある横隔膜より下の腹部)を膨らませます。
骨盤底筋を引き下げることで横隔膜を引き下げる。
そのとき下腹部が前に出っ張るように見えます。
ですが腰に息を廻すことで腰部に息を当てる感触を優先。
目いっぱい腰部に空気(=気)が溜まった結果、
腹部前側も出っ張るようになるという感じです。
腹部に膨らんだ強靭な風船を入れることで、
腰椎が前に反ることを防ぎます。
【付記】
下腹部に息を溜めようとすると、
骨盤が前傾する。
内臓が骨盤に乗れなくなる。
腰椎の椎間板が楔形になり、
背骨伸長力を発揮させられなくなる。
結果、「腰に空気を溜める浮き袋を持つこと」が良いようです。
■背骨伸長力
発勁するときの背骨を観察すと。。。
・背骨が「ぐぐぐぅぃ!」とやや後方へ移動する感触
(でも実際はちょうどよいところで止まる)
・背骨が上に伸びていく
・背骨が上に伸びるということは、
下にも伸びて足の底面を押している!
(見えないここが大切)
※発勁は、力を圧縮し瞬間的に爆発させて発生させるパワーのこと。
■腹筋による腰椎免荷
腹筋による腰椎免荷の概説。
物を持ち上げる際に、おなかに力を入れて腹筋を十分に緊張させる。
もちろん正しい腰の伸びた姿勢で。
すると腰椎にかかる力は30%まで少なくすることができるというものです。
そして「呼吸力」と「背骨伸長力」、
この二つが密接に合わせられると
『腹筋による腰椎免荷』が起こる。
そのように分解して考えてみたほうがわかりやすい。
もうひとつ注意すべきところなのですが、
「腹直筋」という腹部前側の筋肉が「腹筋」というのは誤解です。
正確に言うと腹直筋は腹筋の一部分。
腹部前側の筋肉だけが腹筋ではありません。
腹部側方の外腹斜筋も腹筋です。
その他解剖学的に腹筋のいくつかも押さえること。
ただ腹筋による腰椎免荷を詳細に観ると、
腹筋への意識だけでは不足。
腹部奥の大腰筋などのコアも関係する。
そして腹部の内臓の弾むような柔らかさと腰椎の椎間板というクッション力。
この柔構造が剛構造以上の粘り強さを発揮させてくれます。
いかがなものでしょうか。