骨盤前傾による内臓ダメージなどにつきまして

骨盤前傾による内臓ダメージ.jpg


右の図は、骨盤が内臓を下支えしてくれていて、
理想的な機能を果たしてくれている。
丹田に重心を保持が楽にできるため腹式呼吸も深くできる。




左の図は、
多少極端な骨盤前傾をさせた例です。
そうなったときの特徴を列挙しましょう。


骨盤が前倒しになり
腹腔内を腰椎が後ろから圧迫し、
腹直筋が前から圧迫。
つねに下腹部や横隔膜下にある内臓が前後からサンドされて、
必要もないダメージを加えられています。
内臓は、十分に動きが取れるスペースがなければ、
正常な活動はできないようになっているのです。


骨盤の水平は乱され斜めに倒されています。
すると内臓を安定して乗せるためのバスケットの役割が果たせずに、
内臓が腹部前の方へこぼれ落ち
活躍しづらい状態になっている。
骨盤の骨の上に垂直にある部分の内臓は活発に働くが、
骨盤の垂線より前に落ちた部分は腹直筋などによる内臓の過度の圧迫で働きが鈍ります。


片方または両方の骨盤前傾が行き過ぎると骨盤底筋がハンモック状に吊るされておらず、
上下動ができなくなると横隔膜の上下動を誘発できなくなるため、
腹式呼吸の方法がしづらくなる。


また下丹田に重心を保持しづらくなるため、肩や胸など重心点が不用意に上方へ移行して不安定となる。
(重心点付近で呼吸をしようとするので、こうなると腹式呼吸の方法はとれない)
その不安定さを脚部が必死にカバーしてたとうとすると、
太ももの前側や外側に常に力みが入り続ける。
それは特に利き足側が顕著だ。


この状態では内臓が全体的に下垂することが多い。
そして女性ならば子宮後屈などの原因になります。
また横行結腸や下行結腸などに圧迫があれば、
便秘や下痢などの問題もでてくるでしょう。


それは腹部の常日頃からの不用意な圧迫により、
腹部内部に炎症箇所やしこり箇所が多数できて、
腸内環境がそれにより物理的に流れが悪くなる。


骨盤の前傾の度合いが強かったり、
腸腰筋に過剰なしこりがあったりすると、
鼠径部に強いしこりができてしまい脚部へ流れるべき血液やリンパ液が滞るようになる。


腹部大動脈や大静脈の重なるところやへその周囲やみぞおち等に硬さがあると、
なんらかのアレルギー症状などが現れてきやすくなる。
たとえばアトピー性皮膚炎などを煩われている方や、
強い花粉症が苦痛な方の多くは、
腹部の芯に強い炎症箇所がある。


ただ炎症箇所は、ある程度、その周囲の筋肉が緩まないと、血行不良がたたっていて痛覚神経が麻痺を起こしていることが多いので、気をつけたい。
しっかりその周囲がリリースされて行くことで、
初めてこんなに不快な痛みがそこかしこに埋まっていたのかと驚く人もいるはずです。





私どもでは左側の不具合がある状態を、
右側の正常な状態に移行するように筋膜リリースにて対応します。


その場合、理想形に近づく度合いに比例して、
体調が回復していくというケースがほとんど。


ですが内臓のアプローチをする際には、
すでに内臓の下垂が進み、
炎症箇所の大網による癒合が多ければ、
施術でリリースするのには限界があります。


もしなんらかの体調にかかる不具合があれば、
まずはお医者様で状況を診察していただき、
それで内臓臓器の器質的なダメージと言うよりも
その周辺の筋膜系のもつれやしこりなどの問題が
そこに潜んでいそうだというときには、
適切な施術をしていただけるところを探すことで
改善の糸口が得られることもあるでしょう。




私は施術前のボディチェックのときに、
3Dのコンピュータグラフィックを右脳に描き、
どのような骨盤の前傾や腰椎のようすかなどを
見ていくようにしております。
もし、長い時間説明にかけてもいいというならば、
かなり丁寧に説明出来ます。
ちゃっちゃとラフなCGを描きつつ。


この観察眼や情報収集力。


ここが、大変難しいことですが、
どれほど大切なモノかは痛感していて、
独自に培ってきたノウハウを貯めています。


おそらく人によっては、
今までの苦労してきた人にわかってもらえない腹部の不調が、
筋膜ベースでの生理的な不具合からくるところもあるのだと
目から鱗が落ちることもあるでしょう。


そしてしっかり説明をしてくれる先生は、
同時にその改善方法を日頃から試行錯誤しつつ極めようとしている先生ですから。


自分の現状の骨盤の前傾具合についてや、
そこからくる問題などが現状の症状に関連があるだろうかなど、
質問をしてみてもいいかもしれませんね。



意外に、骨盤の前傾を自分がしているかどうか、
自覚がない方がほとんです。
そのような無自覚だと、改善が必須であるにもかかわらず、
ときには施術を受ける際にあまりこの骨盤の前傾について改善を施さなれないようなことで時間をかけられることもあります。。。


なので、とにかくしっかり自身の身体の情報を得ておこうとすることが大切だと、私は思います。
個人的には、そのような具体的な質問はいつでも大歓迎です。