胸椎の後屈(後ろに出っ張る状態)から肋骨の形状が予想がつく。
ワークでボディチェックをするとき。
胸椎の後屈具合を見る。
すると肋骨のずれる様子のパターンがわかる。
それは肋骨が背側にある胸椎の椎骨から伸び、
前面の胸骨に胸肋関節に入る。
肋骨が伸びる土台はあくまでも背骨の胸椎。
ここから胸骨に伸びていくような感じです。
胸椎の後屈のパターンがあれば、
何らかの形で必ず肋骨の形状がゆがんでしまう。
ゆがみのパターンは大胸筋や斜角筋などの筋肉の硬化にも影響を受けるので、
単純なゆがみ方ではありません。
でも簡単に大まかに言うと次の絵のようになります。
(大雑把でごめんなさい)
背骨がまっすぐ伸びている絵は肋骨が立体的。
一本一本ごとの肋骨の並びの間が詰まり過ぎることもなく
開きすぎることもなく並んでいる。
これが理想。
背骨が曲がって伸びている絵は肋骨が下降しています。
肋骨は部分的に並びの間が詰まり過ぎた部分と
開きすぎている部分が偏在しています。
胸椎と肋骨の関節部分や肋骨と胸骨の関節部分のずれが生じています。
関節がずれているこの部分は必ずといってよいほど炎症を持ちます。
だからこのずれがある部分を触られたり押されたりすると、
本人が驚くようなチク〜っという嫌な痛みが出ます。
そして同時に気にする点といえば、
背骨が曲がって伸びている絵を観察すると、
骨盤部分と肋骨部分の間が狭まる点です。
内臓が理想の肋骨の位置では十分に内臓を収めるためのスペースが
縦に長くあるのです。
でも背骨が曲がって伸びているほうでは肋骨が下降することで内臓を加圧し、
骨盤に押し付けるようになっている。
内臓が下垂するということです。
そのことが観察することが出来るでしょう。
もちろん私が書きました絵は誇張されています。
でもお客様の背骨を立ち姿勢で私がささっとなでるようになぞらえるとき、
すでに内臓が下垂してはいまいかとか背骨をみるだけであたりを付けます。
そしてたいていがこの見方で背骨と内臓の様子が言い当てることができる。
けっこう目ざとく人体の法則性を把握すれば、
風が吹けば桶屋が儲かる的な見方が出来ます。
このようにして背骨と肋骨の関係、
そして肋骨下降と内臓の関係など、
相互に関連させて観ていきます。
そうすることでこの相互関係で、
どこかが突出して問題が出ていないか、
それが出ているとすればどのようなバランスで
その三点を整えればいいかわかります。
逆に言うとこの三点の関連性を読まずに、
胸椎だけ、肋骨だけ、内臓だけと解くとよくないことが起きるときがあります。
ちょうどこの三点はずれてはいるのですが、
相互に関連しあいずれたなりのバランスをとっている。
そのバランスを全体をコントロールして改善すればいい。
だが一部だけ改善するとまるで三人のスクラムを組んだラガーマンが、
ひとりだけいきなり強くなってしまうために他の二人のラガーマンを
なぎ倒すようなことをすることがあります。
もし大胆に体の様子を書き換えるためには、
この三人のスクラムともにパワーをあげる。
そのようなことを考えるといい結果が出る。
そういうもののようであります。