大腿直筋が硬くなりっぱなしの立ち方は緊急避難的


人は体が安定した状態から相当外れているときに、
体のバランスを緊急に整えなければならない。
そのときに一段と大きい筋肉を利用しなければならない。


立つときに大腿直筋を過度に固めて立つならば、
すでに体のバランスが失われてしまい緊急事態。
緊急避難的におこなわれる反射機能に近い。
もし大腿直筋の力を抜いて立てないならば、
もっと楽になる立ち方ができるよう努力してもいいだろう。


緊急事態では
体の外界の情報や自分の体の機能の繊細な識別力を弱められる。
とりあえず随意筋かつ直接的に力をコントロールできる大きな筋肉が使われる。
足なら大腿直筋もその代表格。


足の裏の感覚、会陰という胴体の底面の感覚、
股関節の感覚、膝の感覚や
その他の繊細に立つために必要なさまざまな感覚感受性は鈍化する。
その感覚感受性が鈍化していることに気づくと
少しずつ今まで緊急避難状態であったかが見えてくる。


ただすでに体内の筋膜ラインが前後左右のゆがみを助長しているならば、
その感覚感受性が鈍化していることに気づくことは難しいかもしれない。


鈍化した感覚感受性では、
その部位の筋肉をどれだけ緩めるか力を入れるか分からない。
感覚が必要な情報を察知できずに、
適切な力加減がわからない。


だから体は緊急避難的に大きな筋肉を誤用して
過度な硬直状態で立ち続けなければならない。


このように仕組みはそんなに複雑なものではない。



だが自分の立ち方が緊急避難的であるかどうか判断するのは難しい。
ときとして事実を率直に認めるには勇気がいる。