胸椎横突起の筋付着について。
胸椎は背骨の一部です。
胸の後ろの椎骨で12個並んでます。
そちらから肋骨がはえているです。
形状は下記フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』URLで。
■胸椎横突起部分だけ
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Gray90.png
■体幹の骨全体
http://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%A7%A3%E5%89%96%E5%AD%A6/%E4%BD%93%E5%B9%B9%E3%81%AE%E9%AA%A8
でここで言いたいこと。
この胸椎横突起に付着している筋がどれくらいあるのか、です。
多裂筋、回旋筋、半棘筋、胸横突間筋、頭最長筋、頚最長筋、胸腸肋筋、
胸最長筋、肋骨挙筋、胸半棘筋、棘筋、頭板状筋、大菱形筋、僧帽筋。
という感じです。
つまり14もの筋肉が胸椎横突起に付着している。
それらの筋肉が繊細に胸椎を動かしているのです。
私がそれを知ったとき驚きました。
ひえぇ〜。
こんな小さな骨なんだけど、
なんでこんなにも筋肉が密集して付着しているの?
胸椎とは信じられないほど繊細にコントロールできるはずだ。
その可能性が感じられてならない。
ある気功のトレーニングをするときに、
ヘビの背中のようなくねくねと背骨を動かす基礎運動がある。
これをしていると脊柱起立筋あたりが焼け付くように熱感を感じだし
背骨がばきばきと恐ろしい痛みとともに音をだしてきた。
私はそこまでで挫折した覚えがある。
無茶にやりすぎると本当に危険だから。
だが先生についてがんばっていた方は
そこを通り越して背骨をヘビの如く自在に動かす胴体力をつけていた。
その動きはこれほど多くの胸椎横突起に付着した筋肉たちが
協調して働きだしてくれることでかなえられていたんですね。
その解剖学的知識があればその動きは納得できます。
ただ喘息やアトピーや花粉症などのアレルギー体質だったり、
猫背など他の要因で胸椎が強く固まりすぎるとどうなるか。
そのときにはこの胸椎横突起に付着する筋肉群が相互に癒着。
そのために肋骨の動きを抑制し呼吸の質を悪くしていたり、
上肢の動きに制限を加えられたりと問題が発生してしまう。
胸椎横突起の付着した筋群は小スペースに深く入り組んでいる。
そのためにその筋の流れがどうなっているかをなぞり解くとき
十分な解剖学的知識とリリース経験がないと
この部分のマッサージは難しい。
無茶なことをすれば横突起が骨折しかねない。
そんなけっこう難しい問題がある部分だ。
でもこの胸椎横突起に付着している筋肉群は一様に使用感覚が感じられない。
だから癒着してしまって動きが悪くなっていてもなんとなく動きづらいな〜
程度のことしかわからなくなっている。
だけど実際は胸椎の間の椎間板が部分的に楔状に狭窄したり全体が縮んでいる。
そんなことになりかねない部分です。
意外にこれはハードなデスクワークを多年にわたっておこなっている方の多くに
自然に起きていやすい。
だからデスクワーク後にはしっかりと胸椎の動きを回復させるような
胸部のロールアップやロールダウン、体側の曲げ伸ばしをするといいようです。
下記映像は先だって泉岳寺で偶然見つけたヘビ(背中の自在な動きがいいですね)
SANY1208.MP4