内臓部位の癒着を解く基礎の基礎知識


ときどき胃下垂とか、
横行結腸が下垂したり、
子宮が後屈したりなど、
他にもさまざまな臓器の位置がずれることがあるようです。


そんな状態を改善させるには「内臓をマッサージ」をするといいと
やり方を紹介する記事や本があるようです。
たとえばおへそを中心にして蚊取り線香の輪のような流れで
内側から外側に円を広げるように内臓をマッサージしていくとか。
一般書に近い健康本の一部の話ですがやり方がアバウトにかかれて
ひやっとすることがあります。


痛み過ぎない程度で内臓マッサージをやるようにと書かれていても、
痛みの感度って人それぞれなので。。。
ましてやごりごりと内臓で硬い部分があるから、
そこをぐいぐいと押しときましょうというのは危険です。
ときどき内臓の冷えが強くて痛みの感覚が鈍いときなどは、
ぐりぐりとやりすぎて腹部の血管や神経やリンパ管を痛めることもある。


内臓自体は押されて不快感が強ければ
反射的に内臓がひとつの生き物のように逃げていきます。
でも内臓が隣同士で癒着していたりすると逃げづらいようです。
不快感が強い圧をかけられても逃げられないならば被害が出るわけですが、
内臓が硬い人はもともと逃げづらい状態なのですから被害にあいやすい。
内臓がそこそこ癒着などがない健康体な人は内臓をマッサージしても
ちょっと安全性があるようだが、
内臓が硬化して不調の方はリスクがあるからそれを心してやるように。


これって微妙にジレンマを感じますよね。


とりあえず内臓をマッサージしたいときは、
日頃の自分の内臓のコンディションと触ったときの硬さ具合を感じ取り、
状態が思わしくないときは無理をしないことです。
てのひらの指あたりでマッサージをしている絵があるときは、
指先だとピンポイントに深く入り不用意なダメージがのこることもあります。
手のひらと手首との間の盛り上がっている部分ならばクッション性があり
接触面積が広範囲ですからリスクが軽減されるでしょう。


まずはそのようによりやさしい安全な方法でトライして
様子をみるようにしたらよいのではと思います。




内臓を解くワークをなさっておられる方々は、
基礎知識として腹部にある多く腹膜の間膜の状態を把握しています。


たとえば胃と肝臓を結ぶ肝胃間膜や肝十二指腸間膜や、
その他多くの腹膜にある各間膜のことを知っています。


腹部で内臓が間膜でどうパテーションしてあって、
どう吊られているのが正しいか。
どういう臓器を結ぶ靭帯の流れがあるかを知れば
どう臓器が動くかを理解しやすくなるでしょう。


「グレイ解剖学」のp231に
「腸管と腸間膜の発生過程を示す模式図」があります。
これなどが頭にイメージできているとよりいいのでは。


のように内臓の様子がわかればわかるほど
これを解くには大胆かつ繊細な戦略が必要だと痛感します。