仙骨・尾骨の強打について。

仙骨・尾骨の強打について。


尻もちをついたりすることで、
仙骨・尾骨を強打することがある。


怖い話ですが、
次のような話があります。


(実話)
スキーをしているとき、
なんとなく座り込むような形で尻もちをついた。
そして帰らぬ人となった。


(実話)
ペンキ屋さんがはしごを降りるとき、
ほんの数段をのこして落ちてしまった。
尻餅をついて帰らぬ人となった。


(実話)
ある整体学校で仙骨を調整する施術テクニック練習中。
下手な学生の施術を受けたものは、
高熱を発したりぎっくり腰になる。
そのテクニックはSOTという本当にソフトな刺激をあたえるだけの施術だった。
それなのに全身に渡るダメージの残りはひどいもので後を引いた。


実際の話です。


そうなるメカニズムを知っていれば、
不思議なことでもない。
それゆえに怖いな〜と。


では、このようなことになったとき、
よほど強く打ったて打ちどころが悪かったのでしょうか?


そうでもなくて、

弱く打っただけだった。
それなのに絶命してしまったという人もいるといいます。
お尻の打ちどころが良かったか悪かったかが、
打撃強打の問題以上に、大きな問題です。




本当に尾骨や仙骨の強打は危険。


特に仙骨が強打されたり、
強打でなくとも物理的に無防備な形でむき出しで刺激を受ければ、
呼吸が止まるほどの作用が起きるような人を殺せる急所なのです。
呼吸が止まるほどのというのは比喩ではありませんから怖いです。


それに性的機能も大幅にダメージを受けているし、
泌尿器や前立腺等の問題にもでてきやすいのです。


少しだけ具体的に解説。
書籍「全脊椎の作用と性質」から一部を上げると、
女性には仙骨に月経調整機能(S1・S2)射精中枢(S3)興奮中枢(S3)精力の中枢・膣収縮の中枢・射精中枢・男性の尿道の中枢(S4)など。
女性の場合、仙骨に問題が具体的にあり性行為での苦痛や不快感やその他の問題もでてきます。
妊娠しづらいことや流産をとなるときにも、
よく仙骨の状態をチェックしてみると理解。
だからここの仙骨が柔軟性に富むような状態をつくりだし、
仙骨部位に手をおき温度が適温となるときに
そろそろ妊娠しやすくなってきたというときもあります。


他にもある仙椎のダメージで起こる現象は、
関節の弾力・開閉のコントロール・発汗中枢(S3)健忘症の中枢(S4)、
その他の影響がある。
(注:S1とは仙椎1番の意)


つまり仙骨を打ち付けてしまったダンサーが、
それ以降、体の関節が全体的に固まったように感じるというとき。
S3が問題有りという状態になっているわけです。
ダンサーでなくとも、体の関節がこわばり過ぎている人を和らげるには、
この部分への適切なアプローチが効果的である、ともいえるでしょう。
それに仙骨を打ったあとに、物忘れがひどくなったんだよなというのは、
やはりS3の仙椎に関する関連部位に問題があることも。


私といたしましては、
施術にていわれずともそのような部分が改善するよう努めております。
ダメージが深いところは薄皮をむくように負担が感じられないほどの
自然な改善をものを目指してリリースしていきます。
薄皮をむくようにといっても例えば低血圧の方などはひどく大変な状態ですので、
半端ではないような大変に地道で気力と注意力を使い果たしていく施術になります。
ただ、ここもアプローチするところのひとつに過ぎないのですが。




それにこのような急所部分が尻餅をついたりしていないが、
仙腸関節が炎症を起こしていたり狭窄していたりすれば、
脳脊髄液を減少させるようなこととなり生命力を下げる。
呼吸も止まってはいないが呼気と吸気のバランスが悪い。
座り続ける作業で仕事をなさっている方々などにも多く、
気づかないうちに呼吸が弱くなりすぎて鬱の状態になる。
そのような体のストレスが精神に負担を強いて深まると、
こちらをしっかり改善させないと、
この際での負のスパイラルは抜け出せないのですが。。。



だからここを微調整をかけることで、
このようなデメリットを解消させる。
とても効果的な施術ポイントです。


ただし失敗すれば好転反応ではない、
体のバランスを失わされる結果になる。
なのでこの部位の施術をする先生は
ちゃんと選ばないといけません。





また、なぜここが狂うとあとにまで体全身の不調が続くか。
ときとして一回尻餅をついただけなのに、
それ以降の人生、ずっと不調のままだという人さえいます。


変な尾骨の曲がり方をしている方がいるので、
そのときにはいつかここを打ち付けたなとわかる。
つまり、ここの歪みは適切な矯正を受けなければ、
後々まで残り続ける場合があるのです。


生命力たくましく、
仙骨と頭蓋骨との脳脊髄液を介した動きが活発な人ならば、
ある程度の尾骨の自己矯正が自然になされますが。
それがもともとある程度のこの部位の不調がある人ならば、
ずっとこの尻餅をついたときのダメージは残りっぱなしに。


なので、いつかここを打ち付けたのだろうと、
尾骨の曲がりを観察して読めるわけです。




そして尾骨等が曲がり全身に影響が出る、
その理由のひとつは。


体の中心軸が尾骨という中心軸の下端の、
コマ軸のコマの軸の下の方にある針の部。


コマも軸の下端は針の先のように尖っている。
そして人体の脊椎ラインの胴も下端は尾骨で、
コマの下端の針の先っちょのようなものです。


もしコマの下端の先っちょの針が曲がれば、
うまく中心軸が捉えきれずに、
ブレブレになりながら回転する。
勢いは削がれ回転できる数は小さくなる。
この状態は呼吸の振幅が弱まった状態に、
体力や気力が出にくくなったことになる。
体の中のエネルギーの流れがめぐり辛い。
そうなってしまうのです。


そのようなことが人間の脊椎にも
尾骨、仙骨の強打があると起こる。


体の中心軸は尾骨の曲がり具合が変形したとすれば、
「重力線に沿わない形での急激な体の歪み」を創りだす。


そうなると体の中のしこりの出来る様子がいつものパターンとは
明らかに変わってきてしまっている。
尾骨を打っただけなのに、
文字通りいままでの背骨のコマ軸が見失われ、
急激に支えていたつっかえ棒に頼れなくなる。
いきなりバランス感覚を手放した人は、
不安定さを嫌い、
容赦なく体のかしこを固めて支えるような緊急避難措置をとる。
その結果、体中に問題箇所がでてきてしまう。
ぎっくり腰になったこともなかった方が、
ぎっくり腰になった、ということにも。



そのときの体中のいつものパターンとは違う歪みの状態を、
一般の方は自力で客観視して見ぬくことは難しいでしょう。



尻もちの事故後に、
2週間以内に適切な手当をしてもらえれば、
そのようなダメージがリセットしやすい。
個人的にはそのような感触を持っています。
事故後に生じる炎症が軽減してからでなければ、
施術での調整が難しいので、
注意しなければなりません。