ボウエンテクニックのムーブとは、ヒーリングリクエスト


昨日の施術にて。
お客様が、ひごろの自主トレの一環として、
スワイショウ:立位で体軸を中心に腕をでんでん太鼓のように回転する』
を人里離れた地で、蚊に襲われながらという決死の勢いを持って、
なさっておられるとのこと。

そのシーン、なんとなくイメージできそう。

本人からスワイショウをがんばりすぎると、
多少不具合を体に感じることもあるとのことで、
施術前にスワイショウの実演をしていただきました。

私がスワイショウをなさっておられる状態を拝見させていただき、
数点、気づいたことがありました。
左右の腕の振り方に違いが生じています。
同時に前方に回す腕は前に遠方まで伸びるものの、
後ろに回り込んだ手が胴からあまり離れずに自身の背を強く打ち付けておられました。
左右の肩や腕のコリの差がスワイショウをなさる初期段階で大きく、
理想ではスワイショウを実践してそうした肩のコリなどが緩まればいいのですが、
その前に左右の手の振りの均等さに欠けた軸回転の軸となる頚椎や胸椎に負担が蓄積し、
それらへの不都合な具合を不快感として感じられるところで、なかなか先に進みづらい。

『背中、痛くなるんです』とおっしゃられており、
その点を改善させたいという気持ちがあるようでした。

お話を伺いさせていただき、
『腕の付け根の肩や首の緊張を緩めてからスワイショウ』が必須要項であるようです。

 

そのようなこともあって、
腕と胴の付け根に当たる
1、三角筋(前・中・後に分けて)
2,大胸筋・小胸筋
3,大円筋・小円筋
の左右を緩める方法をお伝えいたしました。

伝えた手技はボウエンテクニックの(ムーブ)という特別な経絡を利用した刺激です。
日頃、施術で私から何度かすでに受けておられるものですが、
いざ、自分でそれをやらなければならないとなるとあたふたしますが。
がんばって、やりかたを学び取っていただけました。


ボウエンテクニックのムーブは。
凝ったり緊張したり炎症を持つなどの組織がなければ、その刺激を受けてもなんともない。
ですが意識的にまたは無意識にコリを残したままで本人が気づけない状態に陥っているようなとき、
ヒーリングのリクエストを脳につたえるのに適した刺激方法を用いることで、
放置されたかまたはあまり熱心ではなかったコリを把持しつづける組織箇所に気や血が増していく。
するとシンプルに速攻を持ってコリが和らぎます。
その瞬間、筋緊張から関節が適切にハマることがなかった状態から抜け出していく。

そしてこのたび上述した部位のムーブをレクチャーし、
それからこちらがはじめは手を取り本人にも行ってもらうと、
適正にハマっていなかった状態の肩関節に良好な変化が起きていきました。
この状態でスワイショウをしていただくと、
先程より肩の前方への突き出しが軽減し不要な手の力みが抜けておられる。

 


このときにお伝えしたムーブは簡単なものです。
ですがテキストや映像からやり方を学ぶのは難しい。
個人的にはそれは無理じゃないかな、、と思います。
簡単そうに見えるものほど、やってみると奥深くて、
けっこうやってみても似て非なるものとなりやすい。
そのようなたぐいのもののような気がしております。

ムーブの使い手が極秘の要領を押さえて直伝で教えると、
経穴を刺激し経絡を通して患部の状態を脳へと伝えます。

特別に施されたムーブは、
脳に伝わりやすい外的刺激をヒーリングリクエストとして受け付け、
するとリクエストされる前は放置したか不十分な対応だったものに
気や血をその組織に増す等の操作や錐体外路系の癒やしの回路を作動させていきます。


オーストラリアで活躍したボウエンテクニック開発者のボウエン氏。
当時の他の生理的な知見に卓越した手技療法を行う先生方にはまだ浸透していなかった東洋医学への造詣が深く、
好んで鍼灸師などの東洋医学を実践する治療者と会話をし、経絡学説の本などを熟読なさられたといいます。


最近、私は筋膜リリースをするとき、
ずり圧からムーブへと全面移行しております。
昨今、東洋医学(主に中医学)の勉強を再度時間を大幅に割いて取り組みだしており、
それがムーブの精度と複雑な状況下での対応力増強につながるとの考えからです。

ムーブをおこなうときにボウエンテクニックのテキスト通りに手技をしていくことでも十分な成果は出るものの、
さらに突っ込んだ中医学の勉強を背景に理解し見通せるようになったほうがさらに充実した施術になるとわかりました。
ほんとうに東洋医学解説系のYouTubeチャンネルに助けられているこの頃です。 =−=;