脚を使う難しさ

脚と手では、
ずっと脚のほうがコントロールが難しい。

手は肩から吊り下げていて、
上に挙げても体がぐらついて倒れることはない。
だが脚部は違う。

片足を挙げれば、
ぐらつきやすい。

重心がとれないとき。
脚部の筋肉が癒着しているとき。
内臓が硬いとき。
臀部や腰部や大腿直筋や大腿筋膜張筋が硬いとき。
大腰筋の筋力が未発達だったり、
腸骨筋を動かしたりで骨盤を立てる感覚がもてない場合。
脚を挙げれば必ずぐらつく。

だからちょっと写真で生脚を見せていただいただけでも、
その人の運動パフォーマンスや健康状態さえもわかる。
内腿をチェックすればその方の生命力が伝わってくるし、
脚外側を触れば上体の前後左右からねじれまで見える。

どのような状態が理想の状態であるのか?
それを把握して体の仕組みが解れば、
身体的コンディションと動きのパフォーマンスの関係が解る。
それはキネシオロジーの教科書的な見方で十分説明できます。
両者は切っても切れない関係です。

この見方をボディワーカーがすることで、
ダンサーやアスリートなどのコンディショナーとして活躍できます。
現状の体から適切な見通しを持ち、
次から次へと高い目標値へ登るための階段を用意する。
過去の経験からくる上方と照らし合わせるなどして予想を立てる。
肉体面での的確な状態変化率を計算して、
うまくパフォーマンスを引き出せれば
ワーカーにとって大変な充実感があります。^^)

『脚部を自在に使える』ようにするため深部層まで解いていく作業は、
本当に手間隙労力をつぎ込まなければならない持久戦です。
そして脚部を解かれた後に、
あたかも手を動かすが如く、
自由自在に脚を動かす『技術』を学ばなければなりません。

だがそれが身につけば若く魅力的な肉体を手に入れたと断言できます。
大変やりがいがあることなのです。

アスリートの方々だけが、
脚部の筋肉を解けばいいのではもちろんありません。
一般の方にも脚部硬直が著しい方も多くおられます。
特に基礎代謝が低くなっている方々の脚部をリリースしていく作業。
このときはよりシビアな脚部の解放が望まれ、
それに挑戦していく必要があります。
ただ『脚部を自在に使える』というまでのニーズがないので、
脚部のリリースでもっとも痛みが強く感じられるところなどは、
よほどの必要がない限りはカウンターストレインで対応します。