自発動について

ヨガや気功、瞑想などをしているときに
体が自然に動き出してしまうことがあります。
これを自発動といったような言葉で呼ぶこともあるでしょう。


一部の宗教ではこの内動の発動が神秘主義的に扱かわれることもありました。
一部の宗教では神秘のベールに包んだものです。
信者にしか施すことのない貴重な神秘体験です。


体を動かそうと意図していないにもかかわらず
かってに体が動き出すというのは不思議なこと。
それゆえに神秘的な何かを想像しやすいかもしれません。


そんななか野口整体創始者:野口 晴哉は
これを神秘主義的に扱うことはしませんでした。
自発動を人間の動物的なカンや反射運動なりを養う
錐体外路系運動】として脱神秘化をいたしました。


そう。
誰でも一定の方法をすれば起こりうる反射運動と説明いたしました。


整体入門 (ちくま文庫)』という野口整体関係の本の第三章に
「外路系の訓練」と記してあり、
そのなかで<活元運動>について書かれています。
こちらの活元運動がまさに自然に体が動きださせるようにする運動法。


活元運動とは自然治癒力を発揮できるよう
自己調整の内動を目に見える形でトレーニングできる方法です。


体験なさればわかると思いますが、
体の芯から筋肉のこりが低減して
精神的な安定も図られていきます。


すっきりとかさっぱりとかいった
そんな後味が残る体験となるでしょう。


夜に寝ていると寝返りをうつのですが
そのとき体のゆがみをリセットする動きを反射的にとっております。
これがまた絶妙に調整してくれているんです。
それも無意識に。


活元運動かまたは他の自発動では意識がある状態なのですが、
寝返り以上に自由で大胆な姿勢や動きをもって
体を絶妙に調整してくれるというわけです。


興味深いことですよね。


ただ身体の上虚下実が逆転しているようなとき、
特に首が硬すぎて気が頭部にたまりやすいときは
強引に自然に動き出す運動をしすぎると頭部に気が上りすぎるといわれ
あまりよくないといわれています。
自発動は自然に動き出してしまう動きなのですが、
意識はありつづけるので動きをやめようとすれば容易に中止できる。
ただ意識が飛ぶと意思の力で動きを中止することができなくなるようです。