自分の体のゆがみが自覚しにくいワケ

 

【 自分の体のゆがみが自覚しにくいワケ 】
歪体」でも、
頭部だけは
垂直性が維持されてしまうため、

体の全体がゆがんでいるのに気が付かないから

 

身体の重要なルールのひとつに、
身体の運動は頭部が進むのちに体がついてくる仕組みがあります。

そのためには頭部が動きの先導をするには、しっかりと地面に対して垂直性を保ち続ける必要性があります。

もし仮に頭部が大きく斜めになってかしいだ状態であれば、かしいで倒れたほうへばかり進行方向を偏らせ、
まともに前進することさえできなくなります。
それはカンタンな実験として、
いつもなら難なくできているだろうあたりまえの全身がある程度統合されてまっすぐな線の上を歩くのは容易ですが、
頭を右に30度かしげた状態で倒しながら歩いてみると、まったく思うようにまっすぐな線の上を歩けなくなります。

そういった頭部の垂直性が乱れて傾斜することによりおこる運動系の誤操作を防ぐために、
頭部の後頭骨の下に位置する後頭下筋群に、頭部の地面に対し平行と垂直を感知する大量な筋紡錘やゴルジ腱器官が入れられております。
これらの機能により頭部の位置が常に垂直性を保てるように監視し続けられています。

もし頭部が傾斜したら後頭下筋の監視により頭部の垂直性を確保せよとけたたましい具合に強烈な修正運動を起こせと信号が出されるおかげで
自覚的に頭部を垂直に据えようとしないでも、無意識のうちに頭部の傾斜はつねに修正させられて垂直になるよう配慮されています。
そうすうことにより立ち直り反射と呼ばれる頭部を垂直にキープする反射を支えています。


つまりこの立ち直り反応により頭部が垂直に設置されることで、
自身の身体がゆがんでいる状態(歪体)であってもみたものが斜めになって見えることもなく、
耳の水平をキャッチする高感度なセンサーは頭部の水平状態で安定しているからOKだというメッセージを出す。
これらのセンサーが脳の認識上でも強烈な印象を与える最有力な情報源として信頼性が高く設定されています。
頭部が垂直性を保てていれば、その他のボディにゆがみが内在している頭部以外の身体上の実態は歪体でも
よほどのことでないかぎり気にならなくなるようできています。



歪体が気づけないわけ.png


上図の、左側の女性は正しく左右シンメトリーな整体状態です。
だから当然、自分はゆがんでいないという正しい反応がでます。

上図の、右側の男性は胴体や脚が左右がアシンメトリーで歪体と呼ばれる状態です。
ですが頭部のみ立ち直り反射により垂直水平となるよう自動修正される仕組みのため
頭部の垂直性を感じたものの延長線上に他の身体部位もあると錯覚してしまい、
自分はあたかも整体だといった錯覚をしてしまうことになります。

頭部のみの垂直になる反射が作用して、
なんとなく他の身体部位もあたかも垂直なような気がしてしまう錯覚に陥ります。
写真撮影等の結果から定規で肩や骨盤部の水平性や脊椎の垂直性を分析すれば乱れていることはあきらかにみてとれますが、
そうした客観的な資料を見せられない限りは、自身の歪体を見つけ出すことが難しくなる仕組みが素地としてあるわけです。


自分の立位や座位などでの垂直性は頭部により導かれる側面があるわけですが、
左側整体の女性は頭部、首、胴体が一連隣、頭部と首や胴体が動きや姿勢上も分断されることがありません。
左側歪体の男性は、頭部と胴体が分断され、その両者に挟まれた首はその両者の不具合を感じて詰まりだし、
頭部と他の他の胴体部等との連動性が崩れて肩こりや首凝り、腰痛等のもとともなっております。


施術の場では、施術者がお客様の芯の垂直性が正されているか、
または歪体であれば、どの個所がどれほどの量の不具合があるかを丁寧に観ていきます。

先生がお客様に対して適切な量の部位の状態をつたえてくださるという場合には、となりますが、
そういった自己では歪体部位があってもどうしても整体と錯覚してしまうトラップから抜け出すために施術者を活用することは、
お勧めできるだけの費用対効果はあると思います。

たとえば、自分で脊椎のずれの傾向について、ひとつひとつを検証して、
かかわる椎間板の詰まりやひらき、捻じれや傾斜などを視てとることにより、
そのジェンガのようにつまれた椎骨を、どのように調整していけばスムースな改善が図れるかを考察していきます。

本人では歪体でも整体と錯覚した上でアプローチする誤差の大きな修正行為となりがちですが、
施術者はお客様が自身に感じた整体に感じた錯覚がおこることはありませんから。
その意味でも他者の目があると都合がいいといえるのでしょう。