エクササイズではよく 練られた動きをこころがけよう

最新の車の機能に、
ほぼリアルタイムでドライビングによる燃費の持ち具合が数分間のうちにフィードバックされるものがあります。

〈車から聞こえる音声〉
その運転では、燃費のロスがどれくらい生じてますよ(不快感)
その運転で、燃費がこのくらいの量、アップしましたよ(快感)

たったいま、自分が行った行為行動に、即時に評価が得られたとき、
なにがよかったのか悪かったのかが知ることができます。
だから改善点がわかり的確な運転方法の修正ができます。
修正後は快に転じた評価のアナウンスを受け取ることができ、
定着していくのです。


人は不快からは遠のきたい、快には近づきたい。
だから燃費向上につながる運転技術がこの機能のおかげで身につくのですね。

自動車学校では言われた運転ができなかった講習生に
「なにやってんだ!?」と脅しに聞こえる指摘が痛く傷つくものです。
ですがこの機能のいいところは
淡々と繰り返し事実を評価しフィードバック。
人は怒られれば直るもんじゃないし学ぶものでもない。

たったいま、自分がなした行為を観察できるようにすれば、
人は、自動的に良好な行動変容が得られるようにできているのです。
それの好例がこういったドライビング評価のアシスタント機能ですね。


よいトレーニングってないですか?
って質問されたとき。
ひとまず、それらしいエクササイズをつたえるものですが、
そうしたエクササイズの実践から成果が引き出せるかどうか。
そこには差が出てくるでょう。

運動の効果や成果を引き上げたいとき。
行為中に観察し、
行為後に行為の即時ふりかえり。
ふりかえって考えたら、別の手があったと気づけば即座にそれを試行。
そんなふうにエクササイズをするならば、
体を無益に壊すような負担が著しいトレーニングはできなくなります。
自身の身体操作の一挙手一投足。
行為中の内部感覚を含めた観察と行為後にふりかえって評価を心のなかでつぶやけば、
その行為は自身の身にふさわしい潜在力を引き出して変化を観察できるはずです。

そして車の燃費向上システムの稼働と同様な手法で、
即時評価とその指摘に呼応するフィードバックをすることで、
人の体の運用にかかる燃費もよくすることもできるでしょう。

「よく練られた、いぶし銀の動き(練られた動き)」は、
こうした要領でたったひとりだけでも養成することができます。