肝の疏泄作用と「横隔膜」の関係 / 

中医学では肝の疏泄作用といって、肝が蔵する血を指令により必要な箇所へと送り届ける作用があります。

睡眠時は四肢体幹等の骨格筋の動きや五感の働きが小さくなっておりますから、
血の多くは肝に戻り、そのときに血内に溜まりし毒素を科学的な分解をいたしております。

起きて活動するときには。
たとえば目を酷使すると血が多量に消費されるため、
肝の疏泄作用により目へと血を送り届けられます。
肝の疏泄作用が正常かどうかを目への血の充足度でチェックをすることがありますね。

またはたとえば腎の血が停滞するなどのトラブルがあれば、
肝の疏泄作用により腎へと血を送り届けることで腎の働きを正常化させてくれるわけです。

現代はこれを自律神経による作用と呼んでおります。
肝の疏泄作用が失調した状態は自律神経が失調した状態と同意味となります。



ここでひとつワタシ的には不思議な思いがありました。

肝に蔵する血を送る仕組みは水路の開閉と同じ制御系です。
そこは肝の作用と協力して別の力が働いている共同作業というわけです。
そして心臓は心筋のポンプが馬車馬のように働くことで、
血液の循環をかなえてくれるわけですが、
肝を観れば心筋に該当するポンプ機能がみあたりません。
では五臓六腑や諸器官や四肢や髄海を含めた頭部へ
要求された場所まで血を送る超パワフルなポンプはどこにあるのでしょう?


そうした疑問がわいてまいります。


まぁ難しく考えずに横隔膜が疏泄の鍵だと速攻で察しをつけるでしょう。
肝臓の上にある横隔膜が上下動して肝臓のなかにある肝血を押し出すに違いない。
というか、他にポンプになりそうな機関や組織が一切見当たらないものですから。

そして肝気鬱結等の肝のトラブルが引き金になった際に、
体の体側が脹痛を感じる場合が散見される理由も
横隔膜の付着部との関係から察することも容易となります。


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そこでネットで検索をかけて、
以下のような回答を得ましたのでシェアさせていただければと思います。


以下ネット引用はじまり---

「疏泄作用」は肝の機能、「横隔膜」は現代解剖学における呼吸筋です。
一見異なる概念ですが、東洋医学的な経絡(気の通り道)の走行と、
現代的な生理学(呼吸と自律神経)の視点を合わせると、
この2つは非常に密接な関係にあります。



① 経絡による物理的な繋がり


肝の気(エネルギー)が流れる通路である**「足の厥陰肝経(あしけついんかんけい)」**は、足から始まり、お腹を上がって肝臓に属し、横隔膜を貫通して胸から喉、目へと向かいます。 つまり、肝の気が正常に疏泄(巡)しているかどうかは、物理的に横隔膜の柔軟性や動きに直接影響を与えるのです。


② ストレス、肝の滞り、横隔膜の緊張の悪循環


東洋医学的に、ストレスは肝の疏泄作用を最も阻害する要因です。
ストレス・抑うつ: ストレスを感じると、肝の疏泄が滞り、気の巡りが悪くなります(肝気鬱結)。
横隔膜の緊張: 気が詰まると、肝経が貫通する胸や脇、横隔膜の周辺に気が溜まり(胸脇苦満)、横隔膜が物理的に硬く緊張します。
浅い呼吸: 横隔膜が硬くなると、正常な上下運動ができなくなり、呼吸が浅くなります。
疏泄のさらなる悪化: 浅い呼吸は、全身への気の推動力を弱め、さらに肝の滞りを悪化させるという、悪循環に陥ります。
逆に、肝の疏泄が過剰に昂った状態(肝火上炎)では、気の突き上げにより、横隔膜が痙攣して「しゃっくり」が出やすくなることもあります。


③ 呼吸(横隔膜運動)による疏泄作用の扶助


横隔膜は、呼吸によって上下に大きく動き、その直下にある肝臓や胃腸を物理的にマッサージする「ポンプ」のような役割も果たしています。
深い呼吸(腹式呼吸): 深い呼吸で横隔膜を大きく動かすことは、物理的に気の滞りを押し流し、肝の疏泄作用を助けることになります。イライラした時に深呼吸をすると落ち着くのは、東洋医学的には「肝の疏泄を助けて気を巡らせた」結果と言えます。



以下ネット引用おわり---





つまり横隔膜の作動に制限等の問題があれば、
肝の疏泄作用が正常に働けずに自律神経が失調した状態を意味しております。



薬膳の食薬では、肝の疏泄作用が失調したとき、
気滞した状態であれば理気作用のある滞った気を理気疏通させる食材をもちいて、
体調の改善をうながします。


ここで合わせて横隔膜のコンディションの状態悪化が見て取れていれば、
物理的な横隔膜の可動を正常化させる手技などを同時並行して用いることで、
疏泄作用の改善が順調に落ち着く場合があるということがわかります。
横隔膜が腹腔内の付着部以外の箇所に癒着していたことによって生じた場合の疏泄の失調は、
理気作用のある食薬のみでは解決が難しいほどの影響がうかがえるときばあります。
呼吸器に関係する喘息アレルギーとなれば、気沈丹田の重心位置が絶えず中焦以上の位置にズレた状態が慢性化して横隔膜が上方に引き上がり続けた状況で固着しておられる方のケースです。
こうした場合は食薬等で気の通りを促す内部からの改善を期待すると同時に手技等の対応で横隔膜の肋軟骨部のリリースを同時併用することが勧められるかと思われます。
ただし肋軟骨が変形する状態が強く現れている場合には触れ方が理にかなっておらなければ、容易に外圧で骨折状態を引き起こします。そのため対処には十分に経験を積んだ先生の力が必要なこともでてくるでしょう。


実際のところ横隔膜の癒着による疏泄作用の改善ができるよう手技を施して器の改善をするも、
肝血虚といわれる肝の血が足りていない方は器のなかにあるべき送り出すための血という要素が足りておりません。
こうした場合には血虚体質を改善する対策を施した食薬や中薬、方財等による対策が打てていなければ自律神経の失調はよくならないということです。




体の構造的な側面と体の気血津液の過不足のない満ち足りた側面と。
これら2つはともに相手を支えあう関係で成り立っております。
それゆえにどちらかだけを充足させてみたとしても、
うまく改善の歩調が整わないことがでてまいります。
治療している先生が(なんだかおかしいな)と腕組みをすることにもなりかねません。


私が手技のみを勉強をしていたとき、実際、このなんだかおかしいと、
手技で構造は十分整えたが思ったほどの改善を認められないと頭を抱えたことが、
幾度となくございました。



体の構造と気血津液の両者とも漏れなく課題として把握し適切対処ができたとき、
スムースで大胆な上昇気流に乗ることができるということでしょう。

つくづくそう感じます。。。