『立てればそれがエクササイズ』のレベルとは

『立つ』とは。
私の感覚では、
『地球に乗ること』であり、
『地球に溶け込む』ことです。
地球を感じ取る行為なのです。
難しく言うつもりはなく、
単純にそう感じるのです。

地球と自分との位置関係。
人体は地球の引力に拘束されている。
その拘束力を敵として捉え縛られるか、
最大限利用して運動や活動に活かすか。
立つときに引力を運動に活かすと、
地球に楽に乗り溶け入り一体になる。
立つことはすがすがしく気持ちいい。

理想的な姿勢で立つこと。
はじめは難しく感じても、
立つ感覚を覚えた後には、
『休め』の姿勢だと気づくはず。
ある程度からだが整い始めて、
力みを抜き支柱を見つければ、
からだのパーツはつられているだけの感覚。
体を支える骨・抗重力筋群は利用感覚がないからだ。
感覚の判る筋肉たちはただつられているだけだから。
筋肉はもちろん勝手に緩み始める。
横になる以上に深部まで緩みだす。

ただ難しいところもある。
立ち方の日頃の注意を怠るか、
立つ感性を鈍らせるならば、
すぐ理想的な姿勢を見失う。
とても保ちにくいものです。
よく保ち奉る意欲が大切です。
「これが最高の立ち方」という上限は実質ありません。
『立つこと』を極めれば、
これだけですばらしいエクササイズになるはずです。

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注意:
立つこと自体を禅問答的にとらえないほうがいいようです。
まったくの『物理的な立つ仕組み造り』でしかありません。
立つために体の基礎条件を整える。
そしてどこで体を支えれば効率がいいかを体験する。
それから自分の体にフィットするようにアレンジする。
試行錯誤の楽しい時間ですね。
そのように実際に体の機能を引き出すだけのことです。