言い方、伝え方が大切

本年一年、大変お世話になりました。


2023年も、どうぞ変わらぬごひいきをいただけますよう、
こころよりお願い申し上げます。


コロナ陽性のお客様が増えて、ひとつきまるまる休業させていただいたときもありました。
そうした時期は施術をお客様に提供させていただく機会が失われ、
中医学診断の勉強に取り組ませていただいた時期です。
買い出し以外は外出を避けて自宅にこもり続け、
集中して勉強をさせていただきました。

その結果、いままでなら気に留めなかったお客様から表出するしぐさや脈や顔色などに意味があって、
そこから、要領よく情報を得られるようになりました。
猫に小判』という諺がありますが、
猫に高額小判をあげても、それでキャットフードが手に入るとは認識していないので、興味なしです。
それが『私に小判』なら、ラッキーと躍り上がるでしょう。
それを価値が高いものだと認知したら目がそこに引き寄せられます。

不思議なもので、
以前、お客様のボディチェックをさせていただいたときに「10」の情報を得ていたのが、
それよりも質や量の多い「30~50」もの情報が目に飛び込んできて、意味を理解する。
その力が、いままで気づくことのなかった不具合部位を見出せるようになり、
さらにお客様のお身体の状態を上向ける施術へと変わっていくのですね。


ですがお客様に対して伝える言葉は多くはなく、
医師でもない私には診断といったことができることもないため、
やんわりと「~といった傾向があるんじゃないでしょうか」というにとどまります。

ですがときに大事なお客様に危機的な状態を感じ取れたことが2~3のケースで見いだせていて、
そのときはひょうひょうとした対応を心がける私にはめったにないような真剣な顔で、
「ぜひこのような運動はやめていただきたいのです」や
「ぜひ、漢方医鍼灸院により東洋医学的な専門的checkをしていただけないでしょうか」など、
切羽詰まった心持でお伝えしたことがありました。

ただ、そのときの私の言い方が適切だったかどうか。。。
いまも心に引っ掛かり、申し訳ない気持ちになることがあります。

お客様には、めったに見えてこない真剣で切実な物言いをする私に、
得体のしれない緊張を感じられ不安や不快さを持たれたことでしょう。
そういうようなネガティブな気持ちにさせてしまうことは、
ぜったいに割けるべきことと思いつつも、
がけっぷちにおられるといった状態が目についてしまう。
もちろん望診等で、見て取れている情報について伝えることは、
顔に表出するクマ等でのことなどわかりやすいものがあります。
それは鏡を一緒に観て、中医学診断のテキストの該当ページを表示しさせていただければお客様にもわかります。
ただ脈診などは、それを正確に整理して伝えるには互いに診断法を熟知するものでなければかないません。。。

そんなとき、心がけるべきインドのホーリーマザーという方の言葉を思い出します。


【他人の気持ちを傷つけるような言葉を使うのはよくありません。
 たとえ真実であったとしても、言われた人が嫌な気分にならないような言い方をしなければなりません。 】


私がたまたま母が末期がんのときに鍼灸院へ訪れたとき、
母の脈をとってなにかを知ったはずの鍼灸医の頭の中が見当がつかず、
内容を話してもらおうとしても難しくてわからず。。。

でも、その先生のやさしい雰囲気の笑顔や包容力を醸し出す様子から、
なにか大事な安心をいただけた印象が残っています。


真実は真実。
それは変えられるものではないのですが、
ですがそれをどうつたえるかという思いやりの気持ちが育っているものかどうか。
そうしたところに品位や品格、そして上品さのようなものを持つようになりたい。

もしさらに本質的なところへ中医学診断を勉強し始めたら、
そういった上品さや思いやりの心を深める必要があると思えてなりません。