『筋の伸長および伸展性(粘弾性)改善』

筋肉は縮むことで力を発揮させることができる。


だからいったん伸びることが必要だ。


筋力が効率的に発揮させる過程としては。。。


(1)筋肉が弛緩して伸長した状態にする。<スタート>
たとえば弛緩した筋肉の長さが10cmになったとしよう。


(2)筋肉が緊張して収縮した状態に変化。
たとえば緊張した筋肉の長さが5cmになったとしよう。


すると、
10cm-5cm=5cm分の運動ができる。
それだけのパワーが発揮できる。


もし(1)の弛緩すべき筋肉の状態が
たとえば最初から5cmに近い7cmくらいならば。
つまり体の目的の筋肉が硬い感じの人のことですね。
筋緊張させた筋肉の長さが5cmに。


すると、
7cm-5cm=2cm分の運動しかできない。


つまり筋肉が初期のスタート時に縮みっぱなしでは力が出せない。


仮に5cm分の運動を7cmの初期状態の筋肉でおこなうならば、
(2)の筋肉が緊張して収縮ではその筋肉が2cmになるほどの
厳しい筋緊張となる。
これはムリとかムチャをした状態ですから
自らの筋組織を崩壊しかねないことになる。
筋肉がバンプアップするどころか、
脳から送られる筋弛緩の情報を受け取る筋紡錘装置にダメージを与えます。
そうなると脳からは筋弛緩しろと命令が出る休息時間のはずなのに、
筋肉の緊張がどうしても抜けてくれないというつらい状態に落ち込みます。


そのような意味合いから、
私どものような筋膜リリースを得意とするものは、
すでに筋肉の弛緩が思うように筋紡錘装置のダメージで受け取れなかったり
または筋膜自体が隣接組織と癒着が多い状況があるならば、
まずは(1)の筋肉が弛緩して伸長した状態を改善することを目指します。


ただし筋肉の弛緩と収縮の差だけを取り上げて語るのも、
手抜かりがあるように感じます。


ちょっと難しい理学療法的な言葉で表現すれば
『筋の伸長および伸展性(粘弾性)改善』。



つまりただ筋肉を伸長させストレッチさせるだけではなくて、
”粘弾性”という言葉が入っていることでわかるように、
粘りがあり弾性力に富んでいる状態へ筋肉を導きます。


ねっとりと粘りつくような筋肉。
筋肉に石などの重しを置いておくと5分くらいかけて徐々に沈みだします。
それでいてボールをぶつけられるとそれを跳ね返すような性質を持ちます。



筋の粘弾性状態の良否が筋肉下の血管・リンパ管や神経や各内臓組織などに
影響を与えている。
そのような推測が書籍『筋機能改善の理学療法とそのメカニズム』や
他書を読んでみれば想像するに難しくないものと思われます。


筋肉の伸長は運動に関係しますが、
筋肉の粘弾性は運動と体内組織の保護という健康面に関係してきます。
私は施術でお客様の筋肉に筋肉の粘弾性が改善すると、
本当にほっといたします。
大きな仕事がここで区切れたな、っていう感じですね。


女性には皮膚の張りがよくなるので美容へ影響してくるんです。


テレビで紹介される女性型人型ロボットの皮膚に使われるシリコン素材は、
人間の表情や手触りのリアルさを追及するため
筋の伸長および伸展性(粘弾性)がある特殊素材が採用されているようです。


人型ロボットの人工シリコンの皮膚に
神から授かった人間の皮膚が負けたくはない。
そう思いませんか?