施術はオーダーメイドって、どんなイメージ?

昔話となりましたが、
ためしてガッテン」等の健康を扱った番組で、
この食材がダイエット効果抜群といわれるとスーパーマーケットでは、その食材が品薄になりました。

その番組中に科学的検証をしたデータをもとに、これだけの人に効果があったんです!といわれると、
それなら私にも効くんじゃないかとココロがあおられます。

実際に効果がでたと実感する人もいますが、
なかには逆にかえって太ってショックを受けたひとも。。。
そういった話は枚挙にいとまがない。


つまり、大勢の人に効果があったんですよといわれても、
自分に逆効果ではやっても「財布に厳しく」「時間も無駄に」「心は悲しい」だけ。

逆効果になると承知の上で、おこなうものはいないはず。
行動する前に、もっと自分の現状の状態を知る必要があったのです。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ボディチェックをするときの範囲について。


以前はカラダのアライメント(ゆがみ)がどう出るか。
つまり筋骨格系の並びがよく、垂直性が保たれているか。
(重心位置:上半身の右側前方に重心が設置されている{これもゆがみの元ですよね})
(体の傾き:たとえば顔が左右どちらかに倒れている、右肩が左肩より高い)
(指針になる骨や筋に問題はないか:脊椎の椎間は正しく整合性をもって並んでいるか。詰まりやねじれ、左右に屈してはいないか。特に仙骨・尾骨に捻じれ等が起きていないか、)
(関節の可動域:腕を挙上したり、足を持ち上げてもらうときの可動域と、曲げた際に痛みや張りなどの不調は感じないか)
その他。

その多くは「形を整える」面でのチェックが主でした。
「筋膜の癒着」による凝りにより、
筋のバランスが崩れてしまうなら、
筋が骨の位置をずらして体がゆがむことになります。

体中の様々な筋膜の癒着を分類し、
どの部位がどのような癒着が好発し、
それをどのようにリリースするとよいか。
そこを追究し、成果を積み上げてノウハウを構築していったわけです。
いまも形を整えるという視点は、ミリ単位を半分にして検知してとか、
微妙な線が伸び縮みさせながら継続して持ち続け伸ばしています。


ですが。
たとえば、このような形成的な改善をという視点だけでは、
内科的なカラダの内部をはかり知ることができません。
そこは自分の範疇じゃないといいたくとも、
いままでお付き合いがあるお客様が癌となり、
そして私の母が癌であると発覚した苦い経験も。

そうなれば内科的な情報が喉から手が出るほど欲しくなりました。


母が他界後、脈診講座を通い、
中医学診断の本を脈診同期の鍼灸師兼薬学の先生に聞いて揃えて学びだしました。


今まで概要の解説された中医学の一般書は目を通しても、
専門書になるとハードルがエベレスト登頂級でした。
背景の理論の煩雑さに当惑し分厚い内容量に打ちひしがれて。


結果、まるまる二年弱、仕事を休んで(脈診以外は)独学しました。


始めた最初は、本に書かれた文字が悪魔の呪文に見えたものが、
ねちっこく触れ続けて親しみが感じられるという瞬間がきます。

そこからの気血津液の状態がわかることの意味。
陰陽・虚実、その間にある平らな状態に持っていくにはという考え。

たとえば、脈を診るとき、これから脈を診ますというとお客様が急に緊張されて脈状が急いて虚の者も平らに見えるようなこともあり、
「脈を診ますね~」といわずにチェックする技をあみ出して施術中にみています。

形成以外の結果から、
お客様の体力の状態や内臓の好不調、
病が深いか浅いか慢性か急性か、
気血がどの体の脈部分でネガティブであるか、
などなどをかき集めています。

※ 脈診のみで見ているわけではなく、四診(問診・聞診・望診・切診)という他の技術も、水面下で情報取集に活用されています。


するとたとえば。
以前はお客様に対して直感的には現状は好転反応が起きているところと判断したときは、
「不安を持たなくてもいいと思うのですが、、、でも、何かあったら速攻で連絡してくださいね」

と言えていたのが、脈で気血の流れが以前の状態と現状とを比較検討すると明らかに平らに安定してきている。
虚に触れていた細く沈んだ脈管状態から力強くリズミカルな脈と変わっているとわかりますと。
「不安を持たなくてもいいと思うのです。ただ、何かあったら連絡してくださいね」

と、お客様へお伝えする言葉には不安げな個所を抜いてお伝えすることができています。


または脈を診て、脈状が弱く脈管を通る血液量が減少していると、
血を貯蔵する肝臓に問題があるか気をおくる側に問題があるのか。
などと当たりを付けて、肝臓の硬化や腫れを診たり。


施術中の水面下でこなしている判断と対応の量は、お客様の現状の情報と過去にあった私の記憶する情報と。
さまざまな、そのお客様の内部からキャッチした、そのお客様のためだけの対処を探索して手を打ちます。




「ココナッツが効く!」と書かれている本も、
ココナッツの特性上の陰陽の別や原産地で暑寒を読み栄養成分の特徴とそれに対する臓器の反応など等などをチェック。
最近では食材の陰陽を解説した図鑑のようなものが発刊されておりますから、
そちらを入手されればいいでしょう。
お客様の現状の体調を気血津液で過不足をみてそれが合うかどうかを照らし合わせればいいのです。
そしてこのようなお客様の状態を知る手掛かりとしては、外見からわかるものでは不十分なのです。
ですから四診断などで内部を覗き、情報をキャッチして整理して分析し、思考する技術を用いると。。。

「あなたは、ココナッツ。あってると思うけど、あなたの中医学で言う「胃」が弱っているから、摂りすぎないでね」

といなったりするわけでしょう。

実際にココナッツの情報とあなたの体の情報を的確にリストアップさせて突き合わすことで、
そのようなチェックが可能なのです。




もちろん、私が日頃ブログで書いている、
バコパやゴツコラ、その他のものも同様です。
何人にもそれが等しく思った効果が出るというものはない。

そもそも体が、いま、それを欲している状態かどうか見えてからとれば<薬>にもなるし、見えてなければ<毒>にもなる。
そのことはどのような食材に関しても言えることです。

ゴツコラは食品として東南アジアでは日常のものです。
副作用的なものも一般的な量の摂取ではなくて、
上薬といって常時とって健康を増進させたい養生にいいものとなります。
なのであまり気にせず食材としておいしくいただくのが吉です。
それで長寿や美肌等になるわけですし。


ただバコパは、もうちょっと効果がガツンとくる感じがしております。
私がこちらを食すと、脈が急に強まり血流量がゴツコラの比ではなくあがるようなこともあります。
なので私がバコパをとるときには、自分の体の状態をよく情報を中医学の診断法で集めてからが重要になるでしょう。
こちらもゴツコラ同様にインドでは聖なるハーブ(ブラフミー)と呼ばれもちいられるものですが、
体験的に語りかけていくと、こちらはどうやら見えてからとれば<薬>にもなるし、見えてなければ<毒>にもなる。
そういえるようなところもあるはずです。
<薬>になるといえるよう、自分の体にマッチしたときには、すばらしい効能をもたらしてくれる。
非常に興味深いハーブです。




また同様に、筋膜リリースを得意とするからそれが万能かというとそうではありません。
そこもまたお客様の現状の体と心の状態により、効果的に効いていく人と、他を選ぶほうがいい人に分かれます。
どうしても筋膜リリースを得意とするものの立場で、そちらを勧める側になると、
万人に向いてる側面を推す力が強くなるものです。

ただそこの対抗策として、多様に言いすぎるとごちゃつくので黙ってますが、
実際の施術では筋膜リリース以外の手技が、常時、1/2~1/4という量を用いていて、
筋膜リリースではカバーできない部分を補っているのです。 ^-^

だから一般的な筋膜リリースをなさっておられる先生が覗きにきてくれたときに、
かなりそのことに驚いていました。
オステオパシーや均整術、その他のボディワーク系の技法を多く取り入れた末にいまの私の施術がおこなわれています。

お客様は、筋膜リリースを買いに来たわけじゃなく、体がさらに思うような改善した状態を求めてきてくれたわけです。

そこを念頭に入れて仕事をしていたら、自然に手技の引き出しが多くなったようです。