あごを考える(実験してみてください)

あごの付け根はどこにあるだろうか?
意外に急に言われると戸惑う人が多い。


外耳道、つまり耳の穴のちょっと前。
そこに指を置きあごを開けたり閉めたりする。
するとそこからあごの始まりがあることに気づくだろう。


実際にそうしてみるともう一つ気づくはずだ。


あごの筋肉が左右どちらかが硬くなっていないだろうか?
そしてどちらかが肥大していないだろうか?


そしてあごを開けるときに左右どちらかが先にかくっといってあいたり、
あごを閉めるときに左右どちらかが先に
かくっといいながら閉じたりしてないだろうか?


この開け閉めが左右スムースに同時に起きるのが理想的。


スムースに開閉しない側が問題がある。
ときには両側のあごの可動域が狭いこともある。


よく観察してみてほしい。
あごの状態に気づくことは悪いことではない。


力まずにあごを開くとき。
どれくらいあくだろうか?


左右の違和感は?


では違和感がないように工夫して数回あけたり閉めたりを、
ゆっくりとあごの先端を前に出したり後ろののど側に引いたりしてみよう。
あごの動きのパターンは変わっただろうか?


下あごが重い錘をつるされて下に落ちるイメージで。
そのとき上あごは静止したままで動かさないで。
ゆっくりと下あごだけを何度か落としていく。
頭部から下あごを切り離して独立させて動かせるものだと教えていく。
それに下あごの持つ重みにより努力なく下あごは下げられていく。
それがカクカクと顎関節の付け根が異音を立てないようにするコツだ。
がんばってあごを開こうとすると胸の上部につまりや圧迫感を感じる。
下あごの重みで自然に口が開く場合にはそれがあまりないのに気づく。


下あごの重さがわかりづらいならば咬筋や口輪筋などが硬いのではないか。
『お〜』と言葉を発生させるように口をゆるやかに開いてみれば、
口輪筋等は緩みやすい。
そうやってみて試してみてほしい。


それから首すじの後ろを延ばす感じにしてあごを開いてみる。
こんどは首筋の後ろを縮めてあごを開いてみる。
首がすくんだ状態だ。


どちらのほうがやりやすいだろうか?
自然だと感じられるだろうか?


おそらく首を伸ばす感じのときがあごを開きやすいはずだ。


では首筋を伸ばしつつ仙骨と尾骨を前方に送り出す感じで。
それであごを開いてみる。
こんどは首筋を伸ばしつつ仙骨と尾骨を後方にそらしてみる。
それであごを開いてみる。
どちらのほうが自然でスムースだろうか?


おそらく仙骨尾骨を前方へ送り、
背中の筋肉が伸びたとき楽にあごが開く。
下あごを緩めて重さを感じればそのまま開く感じだろう。


逆に仙骨尾骨を後方へ引いて背中の筋肉が縮むとあごが閉じる。


脊柱全体の動きとあごの動きは連動連鎖する。
連動連鎖ができるようになると仙腸関節が緩み、
体の左右が美しいシンメトリーに近づいていく。