本日は同業者の方の施術でした。
昨今、だいぶん昔に私が開発していた真鍮製のリリースツールが有り、
こちらは特殊な高周波を出せるように細工がしてあって、
硬化が著しい筋膜や腱や靭帯など軟部組織を再生することができます。
しばらく使っていなかったものだったが、
先だって高熱を発した時があり、そのときに寝ていてはたとそのツールを使おうとひらめいた。
特に右脚部が利き足の方は右鼠径部奥の腸骨筋トラブルが、おおよそ骨盤の平行性を乱す元凶となり、
この腸骨筋鼠径部直下や鼠径部奥の部分の骨化したといえるような腸骨筋の持ち主は、
3層から5層といったほどの多層構造化した癒着が仕込まれている。![]()
そちらがリリースすることが一般的な施術じゃ難しいほどの硬度になっているのは、
筋肉がどの程度の硬度に化けたかを計測する計測機器で計測しているからわかる。
通常の知られたテクニックでは太刀打ちができないものであろうといえるものです。
すでにほとんどの書店に並ぶ施術書はチェック済みですし、友人の優秀な施術者にも問い合わせ済みで、無理だからそこはやめておけといわれたり、そんなところに硬いものがあるなんて知らんかったといわれるようなことでした。
あまりこの部位に対してのリリースを重視しておられる傾向が少ないのだろうと察します。
まぁ、、、ほんとうに患者様に負担がかかる痛みだしミリ単位以下の緻密さやリリース方向の角度の気の遠くなるほどの計算ができてリリースがかなえられるものだし、超絶時間がかかるから、一般的な施術時間の場合、それに収めることが難しいかと思われます。
それは一層目の皮膚に近いところが溶けると、その内側奥に更に硬い凝りが現れ、その二層目を解いても三層目の癒着がボルトのような局部凝りとして現れてきて、そちらをどうにか解くと四層目のボワッと広がる感触の凝りが現れて、といったような具合に、次から次と、いつで尽くすのかといほどの凝りが見えてくる。
そういうこともあって、意外に、鼠径部を解いたと言っても一層目か二層目で終わるのだろうといままでの当社比で思うところがあります。芯までこの部位にアプローチをかけようという発想自体、かつての私を含め施術者側にあまりいだけないような箇所だといえるのでしょうか。
ただそれでも上述した真鍮製のリリースツールとベン石温熱器との組み合わせで、
リリースができるようになりました。
そうすることがかなって徐々にわかったことがあります。
鼠径部奥の腸骨筋の硬度が強くて癒着層が多層構造化している方の場合、
右側肝臓、胆のう、膵臓あたりの凝りに尋常じゃない萎縮部ができてそれら臓器をあっしているチカラがかかっているようです。
それは具体的に触れてみてもわかりますし、自身がそのように解かれたときに肝臓部位の内側を触れられたら自覚ができるでしょう。
この鼠径部奥をリリースを推し進めていくと、これが現れてくるケースが多く見受けられました。
これの理由は右腸骨の前傾が右腰部の肋骨下部の前出につながるという、
前後屈状況が生じていることが想像できるなら見えてくるものだと理解しています。
ゆえに腸骨筋の鼠径部の癒着による硬化短縮具合に比例して、肝臓部位等を圧しており、
その圧はそれら臓器の活躍には悪影響を及ぼすことが推察されるでしょう。
それはこの手技をする事前に肝臓あたりに手をおいてその硬さや温度を測り、手技が終わり肝臓手前でできていた凝りを緩めたあとに同位置を触れてみれば、その変化を察知することができました。
ただこれが右腸骨の前傾が修正されるほどの右側腸骨筋が深部までリリースされなければ、
右側肝臓、胆のう、膵臓あたりの凝りに尋常じゃないものが奥に隠れて現れていないことから、
右側腸骨筋が右側肝臓、胆のう、膵臓あたりの凝りを燻り出してリリースできる舞台に上げることに必要だということがわかりました。
施術はひとつの突破口を抜けると、芋づる式に他の関連したトラブルが容易に発見できるようになったり、発見できた部位をリリースにまで持ち込むことで変化改善の進行を大きくすることがあります。
この右側腸骨筋が異常なほどの硬さがでてしまう日本人は過半数を上回ります。
それは脚長差をテストするだけでもわかることですが、
骨盤の変位した状況を正確に計測することでもわかることです。
そして右側腸骨筋が異常なほどの硬さにより右腸骨が大きく前傾していた場合、
仙腸関節のリリース等で硬膜内の脳脊髄液の流れを巡行させようとしてみても、
早々にその脳脊髄液の流れは乱れることになります。
そういった興味深い内容について同業者のお客様といろいろ意見を出し合いながら、
施術をさせていただいておりました。
実際に右側腸骨筋が硬かったところを十分芯までリリースを図ると、
右側腸骨の前傾への矯正圧を受け付けるようになり修正されていき、
右側仙腸関節面が正常な状態でハマりだします。
そうなることで仙骨尾骨の左右や前後のズレまたはねじれが修正されると同時に、
脳脊髄液が脳から仙骨までスムースに運べるポンプ活動が正常な起動をはじめます。
すると右鼠径部奥のだいぶ強い炎症を持った箇所で、触れられただけでもひえぇ!
という部分であるにもかかわらず、皆様、痛いけど眠気が勝つといわれる現象が現れるものでした。
これは脳脊髄液が正常に運べるようになると副交感神経のリラックスモードのスイッチがONになりますから、それで起こるものでありましょうか。
本日のお客様も、かなりしっかりと右鼠径部奥のを解かれて痛みが感じられつつも、
途中、寝息を立ててみたり、爆睡して手をばたつかせてみたりを繰り返していました。
他の筋膜の多層化した癒着部位のリリースではこのようなことはあまり起こることはなく、
非常に興味深い治療点だということができるでしょう。
ひとつ注意となりますが、
この右鼠径部奥の部分は、すでに理想的な立ち方や歩き方ができている人でなければ、
絶対に過度なアプローチはしてはならない箇所とも言えます。
そうした見極めの上でアプローチをするならば、問題なくより良い状態にステップアップできるでしょう。
対してまだ立ち方や歩き方がピンときていない段階で、こちらの箇所を深々とリリースを受ければ、過ぎた矯正となり身体がその変化に順応できず、様々なトラブルがおこります。
ときにはギックリ腰になることもありますし、脊椎の側弯の曲がり箇所が複雑に増加することでその後の改善操作が難しくなるものです。
ただし別の見方をすれば、股関節のハマりが芳しく無く、右鼠径部奥の凝りが強すぎる方は、まずこの部位の凝りが適量までリリースされなければうまい立ち方や歩き方がしづらいと思います。
というのも大腿骨の内旋固定のトラブルにより腸骨筋と大腰筋の下端付着部に当たる小転子部位付近が恥骨筋等の内転筋群と強い接触が起こり、この接触が年単位といった長期に渡る方々ではこの部位が癒合と言えるほどの癒着が進行しております。この状態では大腿骨上のミスアライメントから一時的にでも脱することが困難です。
そうなると腸骨と仙骨の関節の仙腸関節の正常な位置から大きくズレた状態で動かせないままとなり、それは、右側腸骨の前傾固定といった骨盤の変位固定につながります。
こうした腸骨の変位固定の変位量が高ければ、通常の立位でも右腸骨前傾と仙骨部の縦横の軸がねじりが加えられ腰椎部位を容易に仙骨上におくことができない複雑なすべりが起こった状態を作りつつ立つという形になってしまうでしょう。
また鼠径部奥を表面的に緩める手技用法はありますが、それより奥の芯がチカラを占めていれば、早々に戻りますし、
そこの部位を変更する手技を受ける前に正しい立ち方等を具体的に伝えられていなければ、腰椎等の変位量が増して状態の悪化がおこるおそれが大いにありますから、そうした手順について気を配ることがもとめられます。
あらたな人体へのアプローチも、執り行えば盲点にも似たところがあり、気づけばシンプルで当たり前なことが多いものです。
今回のこれらの部位のリリースも、そういえるひとつだと考えられます。
複雑な状態で固定され続けたままの部位が残っているならば、全身の中心軸が正確さを持ってあらわれることがありません。
そこから生じてしまうトラブルの根っこのひとつの改善に、たどり着いたように感じています。