力の取り出し方がうまくなると体が柔らかくなる

本日、合気道の合気あげという技を学んでこられたお客様が
ワークに入る前に実演していただけました。


体の合気でおこなう合気あげのように感じました。
そのコツを教えていただくために遠方にすばらしい先生がおられると知り
実際にそちらまで足を運ばれて練習してこられました。
その熱心さと情熱にまことに頭が下がります。


合気あげをするときに大切なことのひとつといえば、
力んだ力で相手を持ち上げないことがあると思います。
見事にお客様は力まない技の妙技を魅せてくれました。


対面して私がお客様の両手首を押さえるように持ちます。


顔の表情の力みひとつなく上方に手を持ち上げられます。
相手が上方につんのめるように持ち上がるのです。
この場合は私ですよね。
私も危うく持ち上げられそうになりました。
やっとのことで無様な方法でこらえました。^-^;
普通の人でしたら見事にあげられてますね。


お客様は楽をして手を上げているだけなのに
相手はものすごい力で持ち上げられ逆らえない。


ものすごいギャップですよね。


力の取り出し方が妙にいれば、
楽に力を出しているつもりが、
自分で予想する以上の力が
とりだせてしまうのです。


そんな力の取り出し方を体験すると、
日常生活でも応用が利きだすのかもしれません。


その感触を自分の体で体現すると
体のコリが薄まるのでしょう。


平素ワークをさせていただくときよりも硬さはなく、
柔らかい筋肉状態です。
体型的にも肩が落ちて首が伸びてきていたように思います。


質のいい動きに開眼なされる方をみると、
その進化に驚かされます。

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動いているときに
動こうとするほうばかりに気をとられてはならないようです。
世の中は『作用反作用の法則』でつりあいを求めています。
力のベクトルとかで作用側ベクトルと反作用側のベクトル、
両方があってつりあいを取ります。


人間の体も作用反作用の法則が貫かれています。


ですが一般的には
作用にばかり気がとられてしまい
反作用に配慮が欠けてしまいます。
作用の裏側の反作用の作用に注意を払います。
そうするよう計算をしていきましょう。


頭で「こちらに体を動かしたいんだから、
反作用の力のベクトルはこちらに向いていて」
と考えていくのです。
こんなことをするのは面倒ですが、
動きの質が改善され力みが減少して楽に動けることに気づくでしょう。


修練の末に神経が反作用の力に意識を自動的にはらいだせば、
反作用のベクトルをどう描こうかと考えたタイムラグが消えます。
その時点で作用反作用を無意識に動きに含めることができます。


反作用のベクトルを頭の中で計算して作り出しますと、
作用させる側は反作用側で力を作り出した時点で作用力が発揮されます。
反作用の側を先に作り出せば作用側に力のベクトルが必然的に生じます。
作用力ばかりに気をとられている人よりもずっと強い力を取り出せます。


作用反作用の法則と人体構造の仕組みががっちりと手を組ませる。
そうするとバレエやダンスなどでも、
どのように動かせばよいか仕組みを意識しながら練習できます。
するとバレエの先生がおっしゃられた指導内容の意味がわかるので、
間違えた動きを繰り返して体に覚えこませないこと。
理にかなう体の利用法を探りだそうとすれば、
先ほど述べた合気あげをなさるお客様のような
力まずに発せられる力を感じ出すかもしれません。


そしてそれには強い力を発することができているのに、
体が以前よりゆるんでいくというおまけつきなのです。


ほんとうに体の使い方は面白い。