解剖図から読み取れない筋肉の働きの特徴


前に日記に書いたことで恐縮いたします。


筋肉には
『言葉で縮め!』と命令して反応して筋収縮が起きる筋肉群と、
『言葉で縮め!』と命令して反応してくれない筋肉群があります。


そのことに気づいている方は幸いです。


よく説明に使われるのが、
上腕に力を入れてと頼み力こぶを確認する。
筋肉が硬化しつつ盛り上がります。
上腕の筋肉で上腕二頭筋です。


では上腕は上腕でも内側に隠れた力こぶができた筋肉の裏にある筋肉、
上腕三頭筋に力をいれてみてください。


そういわれてすぐ力を入れて筋収縮を実現できる人はすばらしい。
機能的に筋肉と骨を活かしている。
筋肉の使い方を熟知している。


たいていの方は「どうやって力を入れていいかわからない」でしょう。
言葉で命令して筋収縮する筋肉とそうでない筋肉がある認識が薄く、
そのような言及をしている本も多くは見当たりませんので。
それが普通だと思うのです。



なぜこのような言葉の命令で反応できる筋肉とできない筋肉があるのか?


その成り立ちを説明すれば、
結局のところ私にも仮説を立てるのがせいぜいですが。


言葉で命令して筋収縮する筋肉が働くと筋肉を縮めることになる。
言葉で命令しても働かない筋肉を動かすときは筋肉を伸ばす要領で使う。


前者のみを使おうとすればはさまれた関節がずれるが、
後者を活かして使えば関節がマッチして骨が生きた動きがかなえられる。


このような違いがあるわけです。


そして体を立てる筋肉群としての姿勢筋は背中側にあります。
ほとんどがこの後者の言葉で命令しても動かしづらい筋肉が絡んでいます。
だから伸びやかに筋肉を伸ばしている姿が見て取れなければなりません。


筋肉の部分部分を縮めることで体を整えて立つ工夫も初期では必要です。
ですが徐々に姿勢筋を伸ばして使えるようにしていきたい。



優れて合気道太極拳やダンサーなどをなさっておられる方などは、
すでにそうして体を使われている人もおられるし、
スムースに「そういう使い方もあるのですね」という感じでできてしまう。


ただ通常はここがぴんときづらい難しい技術と思います。


でも姿勢筋を緩めてそれからその筋を伸ばして使うという技を得ると、
将来的にこの部位の筋肉は老後も姿勢のよさが続くことになるだろう。
筋骨格系のダメージが少なくため呼吸機能が維持でき内臓疾患も起きにくい。


ここに気づくかどうか、大きいですね。