カラダの内側から外側への体性感覚で立つ

外から内へ。
内から外へ。

外側にある骨格筋や皮膚を感じ取り内側の内臓部分を推し量る。
内臓部分を感じ取ることでその外側にある皮膚や骨格筋を感じ取る。

このどちらのほうが効率的にカラダを知ることが出来るだろうか。

内臓の体性感覚野が十分発達して感じ取れなければ、
内から外への体感は期待しづらいかもしれない。
骨格筋がすでにそうとうな固さがあるときは、
カラダを支え動かすときに過度に骨格筋を緊張させ続ける。
そのために内臓感覚を感じ取ってくださいという、
気功法などでは当たり前におこなうエクササイズがぴんとこない。

つまり外側の骨格筋が必死になって体を、胴体を支えたてている。
外の支える力があれば内の内臓は別にカラダを支えるものとは考えない。
そんな雰囲気を持つ人もいるだろう。

だが徐々にカラダが柔らかくなる。
カラダのひとつの細胞が細胞膜という膜に体液が入っている。
ビニールに水が入った構造と同じことを理解できるまでいく。
そのビニールに水が入ったような膜組織の一番の表側が皮膚。
この膜の中の存在物を偏りがなく満遍なく理想位置に配置する。
実はこの理想位置に内臓を配置しようと気を配っていくと、
カラダの内側を注視して感じ取れるようになるだろう。

そして正しく内臓を積み上げていけば、
その過程で脊椎は整えられ並べられる。

カラダを立てようとするときに、
カラダの前面の筋肉を注意して緊張させたりすれば、
そちら側に倒れていく。
それはカラダの前面の骨格筋はカラダの中心軸とは、
なんら接点がないから。
カラダの背面の筋肉を注意したほうがまだましだが、
それでもカラダの中心軸とちょっとかすった程度だ。
骨格筋の意識だけで胴体を理想的に立体構成させるのには限界がある。

体の中の胴体を立てるときに呼吸とともに内臓が膨張したり収縮したり。
その感じがまさに『内から外へ』の感覚。
この内側から外側への力の発動を感じられたら、
中心軸をとらえ体の安定が図られるだろう。

ちょうど細長い風船に空気を吹き込んで膨らませると、
薄いゴムの膜が空気を取り込んだら立てることができる。
それとなんら変わらない原理で胴体を立てるイメージだ。
カラダの内側から皮膚を外へと押し広げている。
その押し広げる力がカラダの左右や前後など、
偏りがなくバランスよく満遍なくかかれば、
楽できれいに胴体を立てられる。