重りを使うリリースについて

鹿島神宮の木刀。
こちらを利用することで、
身体のさばきかたをすこしずつ学んでます。


基本は独学です。


そのような折にお客様が節に貴重な助言と示唆を与えてくれ感謝です。


どのようにこちらの木刀を思うように振ることができるか。
的の当てでは、数センチずれたら使えない。
どのような質の力を与えればよいかが問題。
自分の手先の感覚の延長を木刀の先に置く。


それに数回振ってるだけで疲れていては使えない。


他にもいくつもの課題がありますが、
地道にそれらを試行錯誤しながら追求。
そうすることですこしずつわかりだす。


実質、まだまだなんですが、
この木刀を操る技術のおかげで、
4kg弱のおもさがある道具を、
どうにか、使いこなせている。


お客様にも施術前に私がいま施術で筋膜を緩めるために、
工夫を重ねたそちらの道具を触ってもらうことがあります。
けっこう重いと認識されるでしょう。


ただこの道具が身体の上に置かれてリリースを受けているとき。
思ったほどの重さには感じられないのです。


重いものをのせられているとは信じられない。
軽い道具を使って楽をしているのではという。
そのような感想さえ聞こえてきます。


ちょっと不思議な感触をえるかもしれません。



ただそれには秘密があります。


身体に接触させ、密着させるとき。
重いものをあてられるときの衝撃をなくすようにしています。


重い道具に私がさらに圧をかけることで、
解放させる力を飛躍させるのですが、
そのときに浸透する圧をつくりだす。
接触面に当てているのではなくて、
適宜、表面からずっと深層にある
目的の硬化した筋膜の癒着部位に
圧を届ける。
身体の体表の皮膚近くがもっとも痛覚神経が多いので、
そこをすり抜けさせるような浸透する圧をかけてます。


そのようにする操作が、
そう感じさせています。


道具の使い方を工夫しているのです。
それがまさしく木刀を使うすべての
要領がそこに投入されていますので。


そしてこの道具を使った手技をする。
その過程で道具を使わない手技の精度が向上している。
そのような実感を持ちます。


道具がけっして小手先で扱える軽いものではないため、
体幹を意識して、呼吸を整える。
そして押さえを正確に当てつつ、
一動作にすべての筋肉の操作を加えて動かしていく。


そのようにしなければ、
10分もこの道具は扱えないでしょうし、
それ以前にお客様の筋肉に傷が着きます。
そして重さを得た分だけ破壊力が増して
骨さえも危険にさらされてしまいます。


自分でこさえていく施術の方法は、
自分で創意工夫するのが前提です。
未完成からすこしずつ完成度をあげていく。
戦いながら武器を調達していくようなもの。


だから一見すると私が軽そうに道具を扱い、
それほど難しいものじゃないだろうと表面をまねようとする。
そこには重い木刀を必死の形相で試行錯誤し身体中の神経が
筋肉が悲鳴をあげて正解へと導こうとする過程が見えてない。


なので、私のしていることと似ていることを試みようとする方がいれば、
私の型を真似るのではなくて、
自力で試行錯誤しつつ自分の型を作り出してくださいといいます。


そうしなければ、使い物になりませんから。


ただ浸透する圧を身につければ画期的にリリースできますが、
重い道具を単純に、
その重さの自重のみを利用して
筋膜の硬化した部位で何度も行き交うよう
いったりきたりのマッサージをさせるだけでも画期的に解ける。


何年間もマッサージの本業をしている先生でも音をあげる状態を
まったくの素人の方が、
ゆっさゆっさと道具を動かしていたら、
深層近くまでリリースできてしまった。
それは通常のリラクゼーション目的の
マッサージの成果とは異なりますから。
ちょっとした驚きでした。


そのようなことが興味深いところです。


できれば一般の方にこの道具の自重を利用したリリース方法は
広まってほしいと考えています。