膝を曲げて、太股を持ち上げて歩く。
すると臀部筋のオーバーユースを招きます。
それにより長年股関節のずれが生じ続ければ、
股関節がずれた状態が自分の正常状態と感じます。
臀部筋の深部層の硬さからみれば、
日頃のその方の歩き方は一目瞭然。
そしてたいていは左右の足のうち、
利き足をより多く使います。
利き足ではない方は、
利き足のサポートとして用いる感じ。
それにより利き足側の臀部筋が大変硬くなります。
臀部筋。
この筋肉のコンディションが如実に反映される筋肉はどこかといいますと、
側頭骨を覆う側頭筋。
ちょうど耳の上側にあって、
大きな筋肉です。
頬の筋肉(咬筋)は大きな筋肉に見えますが、
咬筋の4倍近くの広さをもちます。
その筋量に比例して筋力は強力。
下顎を上に引き上げる大きな力を発揮できるのは、
側頭筋が下顎を引き上げる牽引力の源ともいえるでしょう。
一見すると側頭筋は咬むことと遠い存在に思えますが、
解剖学的に機能を読み解けばそういう仕組みです。
たとえば右側の臀部筋がオーバーユースで負担が生じていたときには、
右側の側頭筋が呼応して緊張して収縮します。
そして臀部筋部分の硬さが主になり、
側頭筋が従。
臀部筋の硬さが側頭筋を固める引き金になるのです。
臀部筋が硬化してそれに比例して側頭筋も硬化する。
筋肉は柔軟な状態であれば収縮して強い動きを発揮できます。
ですがはじめから固ければその働きは制限を受ける。
伸び縮みしにくいバネのようなものです。
同時にその硬さが日常的に強くなり継続していれば、
側頭筋の硬化により下顎の位置がずれを生じます。
この場合には下顎が恒常的にずれだすという現象が起こります。
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顎というか歯列に関係するところでは、
会陰部分の筋肉の硬さが、
舌に関係する筋肉を硬化せしめてしまいます。
それで緊張した舌で歯を押してしまうということが、
継続的に行われることがあるそうです。
理想で言いますと体をリラックスさせるためには、
『頬をゆるめ舌をゆるめるように』することが必須。
会陰部分の筋硬化が引き金で舌の緊張をゆるめられない。
この点も問題になるように思います。
他恥骨クランクと顎関節の相互関係もあります。
恥骨部がずれれば顎関節もそれに従います。
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この筋肉の主従関係を読み解ければ、
なぜ顎関節のずれが生じたのかがわかりだします。