開業中のワーカーが教えてくれない+1

施術解説書について。
専門家以外の方は体についての説明は、
文章で書かれるとよく分からないですよね。


専門家は本を読んで学んで、
講習会で学んでいます。
学ぶためには書かれている内容を的確に読みこなすこと。
そのためには身体の基礎知識や専門用語の知識が必要です。


専門用語は便利なツールです。


専門用語があるおかげで、
長い説明が必要なことも二言・三言で通じます。


たとえば体のずれ具合は略式記号で表します。
頸椎をC、胸椎をT、腰椎をL、仙椎をSで表します。
L-ASとかR-ASとかいわれてもぴんときませんよね、一般的には。


だからさらっと腰仙部分を指さし、
『まずはL-AS除去して!
(=仙腸ウェイトベアリング除去してください)』

で、これをいわれて的確に反応できなければだめ。
わからないといわれると、
教えてもらえなくなるか、
置き去りでさーっと講習会が終わってしまいます。


基本的な用語は自学してから学びにくるのがルール。
図書館で治療師系の基本書を借りればいいでしょう。
学ぶために仕事をするために来たはず。
文字通り共通言語が話せない相手とは、
『話すらできない』という態度をとります。


冷やかな態度をとられて業界を去る人もいます。
反省のうえ認められるよう頑張る人もいます。



先生や先輩も、
意地悪でそうしているわけではありません。
お互いに限られた時間です。

「生徒の目線に立って教えてほしい」
そんなことをいっていたら、
いくら時間があってもだめ。


わずか3秒で
『まずはL-AS除去して!』
といえば通じるはず。
そう期待しています。


もし通じなければ、
双方のの思考の流れがそこで途切れます。


『【L】とはレフト・ライトのレフトで【AS】とは・・・』と説明すれば、
数分のロス


体の知識がない状態の方に説明するならばどうでしょう。
このような専門用語が30分で数十箇所チェックが入ります。
ですから数分のロスで納まるはずもありません。
時間を大事に考えればこのロスは許されません。


それにこの場合の【L】は腰椎の【L】かレフトの【L】か、
誤認しやすい。
誤認しやすい紛らわしい言葉はいくつかあります。
正確に理解してくれていないと危険です。
安全性のロス


患側にかける圧か健側にかける圧か、
間違えれば状態の改善ではなく改悪です。
仙骨や頚椎などでのミスは大事になります。


(ただ基本用語がわからないで教えを受ければ、
10分くらいで頭がパニックになるはずです^^)


手取り足取り教えてほしいという人は伸びません。
自分で学べるところは自分で。
自分で学べないところを教わる。
そういう人は成長が早いのです。


面倒でも基礎を大切に身に着ける。
少し回り道に思えてもあとで加速度を持って知識を吸収できる。
基礎的な用語の学習はそのためにあるのです。


基礎といいましてもずいぶんの量を学ばなければなりません。
筋肉の主要筋の起始や終始・関連筋や関節、骨なども基礎知識。
指示したらすぐに理解してくれなければ困るのです。


質のいい整体の学校やボディワークの学校に通って学ぶならば、
基礎的な科目を学ぶことができます。
そこにいく必要があるかどうかをまず見極めること。


特に開業中のワーカーに対しては、
『学校に通うつもりで教えて!』というのは受け付けられないようです。


この考え方は私一人の考え方ではなく、
同業の方々の多くがそうなのです。


結構厳しい職人的業界あります。