隔膜ごとのブロックはずし


横隔膜を通過する多くの構造組織があります。
食道、腹部大動脈、腹部大静脈、神経、リンパ管などです。


横隔膜の付着点にあたるみぞおちや肋軟骨部や腰部付着点などが柔軟性に富む。
そうであれば横隔膜を通過する組織になんら影響がでない。
順調そのものの機能を発揮します。


ですがもし横隔膜が硬く張られた太鼓のように硬直して動きが鈍いときは、
心臓に帰る腹部大動脈を通る血流が悪化します。
食道や動脈・静脈、リンパ管などは管なんです。
管の形状がきれいな円形チューブであればいい。
だが横隔膜が硬化してすまえば横隔膜部分で円形チューブ状の管組織が
圧迫によりつぶされて楕円形になりだす。
たとえばそのために血管が細くなります。
特に静脈を通って心臓にいくべき血液が
戻りが悪くなってしまうのです。
腹部内奥に血液が滞留し量が増えすぎれば腹圧があがりすぎて消化器官を
不用意に圧迫。
そうなれば消化不良にもなるでしょう。


そんなとき横隔膜を適宜ゆるめれば
心臓への血液の還流が正常化します。
他にもいろいろメリットがあります。



そしてこのような横隔膜が硬化したときの様子に似ているのが骨盤隔膜。


骨盤隔膜を通過する多くの構造組織があります。
直腸や尿道、腟などです。


骨盤隔膜が硬化して直腸を圧迫すれば便秘にもなる。
それに直腸を通る血管を圧迫するため痔にもなる。
痔は緊張を起こした局所の筋の静脈瘤です。
それに尿道を締め付けたり逆に閉める力が弱まり頻尿に。


他にもいくつかの体の中を通る隔膜が存在します。
むろん各隔膜が硬化などのブロックがあれば、
それ由来の症状が現れますから。
それらの隔膜の状態をチェックし
硬化していればリリースすること。


そうすることで痔が改善したり頻尿がおさまったり、
適宜さまざまなよいことがおこるときもあるのです。
逆にもし各隔膜の硬化などのブロックを見過ごすと、
なかなか改善しないこともある。
隔膜のずれや癒着が人体に与える影響が根深いのです。


リリースの仕方は一般の方が自分でするには難しいかもしれない。
もし詳細を知りたいなら『靭帯性関節ストレイン』を参考にするとよい。
ただこの本の知識だけでは十分ではなく、
より工夫を加えて解くべき隔膜部もある。
それは各先生方が研究して対応なさるところでしょう。