施術者は、魔法を使うことが仕事ではありませんからね! ^-^

「私は二度と腰痛になりたくないからどうにかしてください」といわれたとします。


施術者のなかには、
愛想よく「わかりました」という人もいるでしょう。


私は「それは魔法使いしかできないことですよ。そのような魔法を使うのは施術者の役割ではないのです」
そのような言葉を返し、ひんしゅくを買うことがあります。


でも、それは考えていただければ当然じゃないですか。


私にはその方の将来がどうなるかはわからないのです。


真摯にお客様の現在の体の状態をお伺いしたとしても、
必要な情報部分が抜け落ちたレポートだけしか提示されないこともあります。
それは自分自身の体について、つぶさに観察をし続ける癖を持つ人が少ない。
からしかたのないところです。。。
本当に自身の身体について気づきを得ているような覚醒した状態となれれば、
それを覚者といい、目覚めた人として仏陀と呼ばれるようなことなのですね。
だからめったにありえないのかもしれません。
ですから際立った明瞭なお体の状況を伝えてくれるレポートが来たとしても、
それでも私にはよく出来たものではあるが、それを100%とはとらえずに、
安易にわかった気にならないようにして話を聞きたがります。
そうやって、少しでも具体的な理解を深めて正解に少しでも近づこうとする。


そういうものなのですよね。



ひとりひとり、個別に日々を送り、
起きることはまったく違うのです。


それぞれが生活シーンの中で、
毎回シチュエーションが違うし、
毎回いろいろなことが起こります。


もしも腰痛が起きるできごとがあると、
原因と結果の法則で、腰痛が起きます。


腰痛になる原因は、ひとつやふたつじゃありません。


注意深く体を使えば大丈夫なわけではありませんね。
突然の引っ越しでぎっくり腰になることもあります。

また転んで横転して腰を打ち付けることもあります。


体をしなやかに使い切ると讃えられるアスリートも、
しんどい腰痛に苦しんでいる人は多数おられますし。
いわんや専門的な身体操作に長けたものでなければ。


なおさらです。


具体的な問題が起きた場合は、
それぞれのシーンに合わせて、
何を具体的に対応策として考えて実行すればいいか。


当然のようにそれぞれの場合に具体的な対処法は違ってくるものですね。
そのときどきで対処しコントロールできるような考えを共に考えること。
そして、ベストな解決や改善をはかる手助けするのが施術者の仕事です。


そのときにできれば、ひとつでもふたつでも、課題として、
「日頃の自身の身体操作をする場面で、
大腿直筋を過剰に使うシーンがあるから探しておいてください」
というように、言葉をかけます。


事実、そのような課題を実直に観察していく人の後日談を聞くと、
意外なときに使ってしまっていて驚いたという話と、
そのような気づきがあったあとは大腿直筋を使う量が減ったのか
腰部の不快感がめっきり減ったんですよといいます。
そうすることで、ひとつ、
自分を操作して活かす体験を通して自信を得ていく。
そのときの満足感は、頭で考えるだけではなくて、
自分の体を通して得たインテリジェンスは肯定的に受け入れることができ、
体の使い方の現状をさっとモアベターに書き換えるという奇跡が起きます。


それが施術者がしたいところなのです。 ^-^



だから施術者が安易に、
「私が施術したんだから、もう腰痛はおきません!」というのは、
正確な事実をほとんど差っ引いて見るべきものを見ないようにし、
結果的に、問題が発生してしまうものが常ですが、
そのときに具体的な話を深く聞き取り調査もせず。
問題部分を包み隠して視野にもいれていませんね。



それでは、
私が楽しいなと思えるような結果にはなりません。



もちろん施術者は、
腰痛が起きづらくなるよう調整をしていくのは当然です。
それはお客様の期待なさることですし、
その希望を適えるためにベストを尽くしていきたいので。
お客様が嬉しい状態になってほしいから、がんばります。


ただお客様の体はお客様自身がコントロールするものです。
お客様自身が深慮した対処をしていかなければなりません。


いくら施術者が高度な対処法を会得していたとしても、
それを伝えるのは付け焼き刃では物にならないのです。


身体操作感覚は言葉で伝えられません。
よく出来た水泳の解説本を熟読すれば、
それだけで泳げるかといえば違います。


だからお客様自身に、自分の体というハードウエアを、
積極的にハイパフォーマンスを適えるようにするため
動き方のソフトウエア開発をするために、
体を動かす体験を通して試行錯誤を繰り返し、
新たな取り組みを繰り返し体験して体感して。


そうやっていき、

どれだけ前向きに自らが積極的に工夫をしつづけるか。


そのような姿勢を日常的になされるように気配りをし、
生活でをしていこうという心構えができるようになる。


もしもそのようにしようと、お客様が心に決めたとき、
施術者はいい仕事をできたなと思えるときなのですね。




理想を求めることは一筋縄ではないのですが、
本物を、やはり、求めていきたいと思います。