良い施術には、施術手技を行う一歩手前で手技シミュレーションをやってみて、イメージで仕上げてから、実際に手技をするものです


施術中に私が天井の方を向いてブツブツいってたり、
目線をお客様からそらすようにしているときがあります。

お客様には、何を考えていることやらとなりそうです。
何をしているかというと、
施術の手技を実際に行う前に、
施術をしているシーンを鳥瞰して描き出し、観察しているのです。
施術操作で起こすべき結果が、
明瞭に過不足なく仔細に定義できているか。
全体的調和のを視野に入れなければならず、
部分を解きすぎて収まりがつかなくなれば、
それは大失敗です。
人体は過剰かつ急激な変化には順応できず、
各人それぞれ、ちょうどいい変化量がある。
変化量の適正値が下回ってはそっくりすぐもとに戻られるし、
上回りすぎていれば、施術により体調を壊すことになります。

そうしたことを念頭に入れ、
施術終わりで、
立位姿勢をチェックさせていただきますが、
そこを一時に通過地点と考えてしあげます。
ちょうどいい適正値がクリアできているか。
もしその時点で問題があり、
修正点が鮮明であれば応急処置的な修正を施せば、
そこで絶妙な微調整がおこなわれて体内の代謝
理想状態で長く続けられるよう安定していきます。
ただ、最近は、立位姿勢を観てバランスがとれて、
再度の微調整を必要としないことが多くなっていて助かります。
お客様ご自身も、日々、自身の身体を大事にしていただいているからでしょう。

余談ですが。。。
実際には12経絡の流れを意識しますから、
24時間から数日をかけて気の巡りを促進されます。
その結果、自律神経系統の改善が見込まれます。
そこがその回の施術成果の集大成で、着地地点です。
なので正確には、施術終わりの直後はふらついても、
数日様子を見ていただいてスッキリするようならば。
経絡調整はその場での調整という筋腱などの不調改善以上に
体内の栄養の流れや老廃物の破棄などに関わってカラダを直しますから。
後者の関係で体調不良を得ていた方ならば、施術直後の評価をするのではなく、
施術後数日をかけて変化を見守ることが必至となります。


そうした着地地点のゴールを施術中の私の頭で設定して描き出しております。
実際には施術をすることで、
不測の事態(予想以上の過去の凝りの積み重ねや治癒していない傷等が体内にあるなどや、
想像したよりも状態がよかったなど)
が多々起きるのが臨床の場ですから、
その都度、着地地点のゴールを描き直します。
そうしたところで全身のバランスの歪みや引き連れやねじれなどを読み直し、
新たに作り出した着地点ゴールへの調整への道筋を描き直しているのです。
そのときに、上の方を向いてぶつぶついってたり、
じーっと虚空を観つつも眼球が微妙に動いて手技する自身の様子を観察しています。

実際に手技をする前に、頭の中でも手の触感がある感覚で手技をおこなっており、
そのシミュレーションがリアルさゆえに、そのときすでに失敗と成功が直感でわかってきます。
失敗の手であれば、なぜ、そう感じたかを詳細に観察すると腑に落ちる点がみつかります。
そしてそこを修正を加えてシミュレーションをして良好と感じたときに、
「よし、これでいこう!」と思わず声が出てしまいます。


人体を物理的な構造物として客観視できる目を持てば、
構造上立体化されて重力にバランスを取っておられる強さがあるか。
構造体として人体をどう安定して立たせるかの思索が磨かれるなら、
お客様の身体上の着地点、ゴールを立てる力はできてきます。
構造体としての重力とのバランシングした状態を考慮しない施術操作は、
せっかくの施術を受けていただいても戻りが早く、
お客様自身のカラダがあらたなバランシングのステップへと進展する機会が与えられません。
とかいうと、
筋膜リリース上の施術とは難しいことをしていそうです。
確かに技術的に確立されているとはいい難く、それぞれの施術者が試行錯誤をしています。
だから難しい側面もあります。
ですが同時に一定のルールとして、どこに運べばいいかが明瞭にわかってぶれていません。
なのでお客様が施術を受けに来ていただいたその場でお立ちいただいて、
この状態であればどこに着地点・ゴールを設定すべきかを見定めるのは、
臨床経験に培われた見立てと、着地点設置の公式があるおかげですぐにわりだせるのです。
そうしてわりだした施術を終えたときの立ち姿(構造体物)をイメージで描き出していき、
現状のお体との差異ある場所や箇所を明瞭にして修正作業の調整をシミュレーション。


結果的にイメージで一歩先にお客様のカラダを仕上げてから、
実際の施術をさせていただきます。
イメージで仕上げもせず、
出たとこ勝負でいきなりカラダを触って手技をするのでは、
それはすでに敗者として後悔が山積みされる施術になるのです。
個人的に、そんな考えにたどり着きました。




美容師さんがお客様の髪をカットする前に、
お客様とどんな髪型にするかを話し合ってイメージを掴み、
美容師さんの頭ではこんなカット仕上がりにしようと決めてから、
ハサミを入れるとおっもいます。
そうなさる仕事と施術者の仕事も、変わらないのです。

施術の一般書とかでは、部分的な凝っているところのみなどの
部位別の治療のやり方が解説してありますが、
最終地点の体全体の仕上がりをイメージさせる指導本があってもいいんじゃないでしょうか。
構造体としてどう人体を正解に近い状態に描き出すセンスや理論を持っていれば、
施術の本の技術も活かし方が変わってくるでしょう。
構造体として得たい絵は、重力につりあう強さがある骨格を持つ状態です。
そういった仕上がりがきっちり思い描ければ、
解き過ぎとか解きが足りないとかもわかってきますよね。

そんなゴールを思い描けることって大事だと思いませんか?




施術者がお客様には
私が施術中に一心不乱に考えてる素振りをすると不安になられそうだと思いまして、
この度、こんな感じで施術を作り出しているんですよとお伝えさせていただきました