妊娠して足がつりやすくなる方がおられます

妊娠しておられますお客様のワークをするとき気づきやすいことがあります。
オステオパシー系のメカニカルリンクというテクニックの本を読むと
書かれていることでもありますが。


普段、子宮は膀胱の上に位置しています。
腹部表層に現れ触れられる臓器ではないため、
状態把握をするのは難しいものです。
だが妊娠中は子宮部が大きく膨らみ、
問題部分が見つけやすくなるのです。



たとえば子宮の右側屈、右捻転、子宮下方の固着がみつけやすくなります。


子宮の右側屈により下大静脈が圧迫されやすくなります。
下大静脈は解剖学の図などでみてみると腹部右側に位置しております。
腹部や脚部からの血液の心臓への帰り道となるわけですが、
子宮が右側屈等しているとこの静脈を圧迫してしまいます。
それが両下肢のむくみ、静脈瘤、心臓の動機など循環器系の問題に。
妊娠中は足がつりやすくなる方がおられるのですが、
この問題との関連をみることができるようです。
出産を数ヵ月後に控えておられるお客様がおっしゃられるには
妊婦さま向けのエクササイズが病院で教えられておりましたそうです。
足のふくらはぎをつってしまわれる方が多くおられたそうです。
(胎児が大きくなるにつれて腰部の反りがきつくなると、
膝を伸ばせなくなり膝裏に大きなしこりを溜め込み
ふくらはぎの血行阻害を大きくするような問題もあります。)


子宮の右捻転により腰痛や坐骨神経痛につながります。


子宮が下方変位すると子宮が強縮し流産や早期分娩の危険が高まるそうです。


普段は子宮は膀胱の上に位置しており腹部表面にある臓器ではありません。
妊娠により胎児が大きくなると子宮の傾きや捻転などの傾向が強まります。


なぜ右側に側屈や捻転が起きるかは、
利き足側の大腿直筋や外側広筋が硬化肥大し強く短縮させる傾向が強い人ほど
上前腸骨棘部分が影響を受けて下方へ沈め骨盤がゆがみだします。
子宮は体の中央ラインに沿う臓器ですが骨盤右側が下降したため
それにより骨盤がゆがんだ傾向分と脚部前面の筋緊張の度合いに比例して
子宮も右側に側屈や捻転せざるをえません。
そのようなこともひとつの原因と思われます。


ですので妊娠したため子宮が右側屈、右捻転した場合ばかりではなく、
妊娠前も常態的にそのような傾向があることが多いようです。
その傾向が妊娠により助長されることがあるようです。



妊娠中に通常は子宮の位置を修正するには、
直接婦人科系にかかわる箇所を圧迫するなどの操作は忌避事項です。
他にも触れない部分や刺激を与えてはならない部分が多数あります。
それらを多くの文献等で事前にかき集めておく必要があります。


調整法はからだの手足や首、胸部、腰背部などの遠位を調整します。
遠位を正すことで腹部の中の子宮の3次元的位置を修正するのです。
妊娠中は体中の関節が緩み筋肉も弛緩傾向が強いため、
その修正作業では力技を多用する必要はありません。
ただ施術者の注意力は普段の施術に輪をかけたものとなります。



妊娠・出産を控えておられる方は、
妊娠前に良質な動き方を学んだり
骨盤やその周辺部の改善を取り組まれるとよいかもしれません。


それにより大難が中難、中難が小難、小難が無難という感じで、
難が少しでも小さくなればよいですよね。